今年の夏の選手権大会は地区大会から、「本命」と言われるチームの敗退が相次ぎニュースになりました。
岩手・花巻東高、京都・龍谷大平安高、福井・敦賀気比高、埼玉・浦和学院高、鹿児島・神村学園高、そして大阪・大阪桐蔭高は決勝に進む前の早い段階で、さらに鳥取・鳥取城北高はいつの間にか静かに敗れ去りました。その流れが甲子園での全国大会でも続いています。
まず、3強と言われた神奈川・横浜高、それを破った大阪・履正社高の2チーム。2番手グループで優勝を窺っていた、愛知・東邦高、埼玉・花咲徳栄高。
もしも、これで熊本・秀岳館高が今日敗退すると、近年まれに見る混戦となった大会と言われることでしょう。
前回、「番狂わせ」が起きやすいことを書きましたが、今回はこの甲子園での試合経過を見て、改めて思ったことがあります。
私も野球には「流れ」というものがあると思っています。強豪校が敗退する試合での進め方は、ほぼすべて野球の「流れ」に逆らったものだったと思います。
大体のパターンとして「格上のチームが格下のチームより先に、理由のよく判らない動きをすると、試合の流れを破壊することにつながる」のです。
結果論ではありますが、横浜高が履正社高に敗けた試合は、履正社高打線の裏をかくつもりで二番手のサウスポーピッチャーを先発させたのでしょうけど、序盤に大量失点で追う立場になりました。履正社高も二番手ピッチャーを先発させたのですが、これも裏目に出て、大量失点で追う展開。この2チームのピッチャーは二番手ながらドラフト候補でもあり、決して力がエースよりも劣っていると言うことではあり得ません。花咲徳栄高もエースの先発ではなく、序盤に大量失点してしまいました。
強豪校が敗れるパターンとしては、この序盤の大量失点と僅差の試合だと思います。
まず、失礼ながら名前だけで考えたらどう転んでも負けるはずのない相手に、初回から大量点を奪われて、ありえない展開とありえない点差で敗れる試合。
強豪校ですから初回から積極的な攻めに出て、相手校を一気に圧倒し、早いイニングで一方的な試合展開に持ち込もうとすると思います。ところが、その積極策が裏目に出て、次々とチャンスをつぶすと、逆に、相手校の地道な作戦に対して、強豪校にミスが続き、ミスがミスを生み、傷口を広げてしまうという試合を観たことがあります。
強豪校のほうが必死に点差を追う展開になってしまう。通常、追いかけられる試合展開なのですが、追いかけると言うことをやったことがない。しかも、この試合は策が裏目に出てしまう流れ。これは野球の流れの1つだそうです。つまり、強豪校をかく乱するために、なかば強引とも思える作戦で激しく動くことは良いが、強豪校が相手を甘く見るように、一挙大量点を目論んだような攻めを試みると、自ら試合の流れを壊してしまい、不利な展開に陥ることになる、のだそうです。
もう一つの1点差、2点差の僅差の試合。強豪校ですから、1点や2点を取り返すための引き出しはたくさん持っているはずですが、強豪校にとってはこう着状態の試合は、より難しいのです。実力10のチームが半分の力しか出せなければ実力は5。ならば、実力6を持っているチームが全力を発揮すれば勝てるチャンスがあります。
これも、観たことがありますが、強豪校相手に最初から外野が奥深く守っているチーム。すると、不思議と相手の外野の頭を越そうと、余計な力が入る。ピッチャーはもちろん、外角低め一辺倒。フェンス越えは難しい。気がつけば、終盤だったというものです。
今年の魔物は優勝候補と呼ばれる強豪校がお嫌いらしいです。
青森・八戸学院光星高に取りついた魔物は、東邦高、横浜高と履正社の下見に来ていたのでしょう。その後、夏バテで休んでいたのではなく、甲子園球場内で静かに潜んでいて、次々と取りついていたのでしょう。
今日、優勝候補と言われた熊本・秀岳館高が茨城・常総学院高とベスト4をかけての試合があります。
秀岳館高は近代的な攻撃野球が特徴、一方の常総学院高は好投手うぃ擁し、伝統的な甲子園野球とも言える手堅い野球が特徴。どのような試合展開となるのか、果たして、魔物はどんないたずらを用意しているでしょうか。
今やってきたー
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