長嶋茂雄 (読売ジャイアンツ終身名誉監督)

私は長嶋茂雄さんのプレーは進行形ではほとんど観ていません。V9が途切れ、引退の時期がちょうど本格的に野球に興味を持った時期でもありましたので。おそらく、現役時代のプレーを観たつもりだったのは、その後のTVなどでのことだと思います。
ただ、一度だけ、昔の後楽園球場へ連れて行ってもらったという記憶は鮮明に残っています。

長嶋さんの成績だけ見れば、通算打率、安打、ホームラン、打点、守備においても、今や、その数字以上を記録してる選手はたくさんいます。でも、いくら、イチローやダルビッシュがメジャーで活躍していて、その活躍がニュースのトップを飾っていようとも、今の長嶋を知らない世代を含めても、現代プロ野球史上No.1の人気選手であることは変わりないと考えます。

いろいろな理由があると思いますが、長嶋さんは“本当のプロ(野球選手)”だったからなのでしょうね。

デビューでの四打席四三振。1959年6月25日天覧試合でのサヨナラホームラン。日本シリーズという大舞台でのMVP4回など。見せるプロですよね。
(野球が嫌いだとよく言う)私の知り合いに矢沢永吉と長嶋さんの熱いファンの方がいますが、一塁への送球後に右手のヒラヒラさせる真似をよくやるほどですし、もちろん、TVでもいろんな芸人が真似をしたりしています。そのくらい愛されているのですよね。

よく、「努力の王」、「天才の長嶋」と比較されたりしていましたが、その実、努力家だったと言われています。
暑い日、連戦などで緩む選手が多いが、1試合として気を抜かない、対戦予想投手の配球をつぶやきながらの試合前夜の素振り、故障に悩まされるようになっても、練習の激しさと量が変わらない・・・自分に妥協しない姿。

This is the professional

そして、その姿は病に倒れた後でも変わらないという。
リハビリ休んだのは九年間で大雪の日と風邪で体調を崩した2回だけだという。1周約1キロの散歩コースを暑い日だろうが、雨の日だろうがびしょ濡れで歩く。休憩も取らず、リハビリのメニューを次々とこなしていく。
そして、リハビリ中の人たちにも積極的に声をかけ、隣の人に「もっと、もっと。ゴー、ゴー」といきなり“熱血指導”をするそうです。

長嶋さんは周囲の方に

「俺は、もう一回走りたい。キャッチボールがしたいんだ」

と言っているそうです。

次にも「メークドラマ」を見せてくれるのではないかと感じます。いや、見せてくれることでしょう。