囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

都ぞ春の錦なりける

2021年04月07日 | ●○●○雑観の森

 

見渡せば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける

                                   素性法師「古今集」巻一


 あたりを眺望すると
 緑の柳と薄紅の桜を
 一面に交ぜ合わせて
 都はまさに
 春の錦そのもの
 であったのだ

 

▲高瀬川のサクラ

 

 

 


紅葉はしばしば

「秋の錦」とか「山の錦」とか

形容されてきた。

それに対抗したのが

「春の錦」「都の錦」

である。

 


詞書に

「花盛りに京と見やりてよめる」

とあるので

京を見渡せるような

小高いところから

都の方を眺めて詠んだのであろう。

 


うららかな日差しのもと

柳の緑と淡い桜の色とか

まじりあい、あたかも

錦を織りなした如く見えたのだ。

 


素性は、僧正編照の子。

古今時代の優れた歌人で

平明な表現に華麗な世界を描く。

ああ、まもなく、

サクラの季節も終わろうとしてる。

 

 

 



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