【都市伝説千二百年 「みやこ」の痕跡/羅城門(らじょうもん/らせいもん) の巻】
現在の京都市街地は
往時の平安京よりかなり東によっている。
みやこの玄関口にあたる羅城門と
北に伸びる朱雀大路は
現在の「千本通」あたり。
ただし道幅は85㍍もあった。
天皇のすまい・内裏を中心とした
諸官庁が配置された大内裏には
国家儀式を行う大極殿があった。
そこから西が右京、東が左京。
だが右京は湿地が多かったことから
棲みやすい左京へと市街地が広がる。
近年できた新京極は
「京都の(東の)極み」が由来。
その東側に河原があったため
河原町と呼ばれるようになった。
このあたりは人通りのない場末だった。
さらに川向こうの東側には
冥界の入口があるとされた。
いまの祇園を含む東山山麓である。
大極殿跡から真っ直ぐに南下する。
現在の千本通はとぎれとぎれになるが
徒歩なら1時間ほどで羅城門跡につく。
緩い下りなので単車・自転車なら
あっという間だ。
千本通と九条通が交差するあたりの
小さな公園に石碑がひっそりと建つ。
建ち並ぶマンションや民家のすきま
思わぬ場所にあり意表を衝かれる。
平安京のあった長方形の地域には
至る所に石碑や銘板がある
枕草子や源氏物語ゆかりの地も多く
路地裏の散策には
古典の面影を感じる愉しみがある