囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

スランプの味わい方

2021年03月03日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

 

 

マラソンがヒトの人生にたとえられるワケ

 ~ 長距離ランナーの孤独 の巻】

 

 

ある老練の大家が、

新進の小説家にこう諭した。

 

 「スランプというのは

 誰にでもあるものだ。

 しかし、これは、

 大きい跳躍の前に、

 身を縮めるようなもので、

 必ずしも悲観すべき状態ではない。

 あせらず、じっくりと

 書き続けていることだ。

 

 葛粉(くずこ)に水を加えて

 火にかけているとき、

 休まずにかき回し続けていると、

 いつまで経っても水と粉が分離していたモノが

 不意に、にわかに混ざり合って、

 みるみる透明な、

 手答(てごたえ)を感じる葛湯に変わる……。

 

 これと同じで、手さえ止めなければ

 思いもかけぬとき、

 スポッとスランプを脱し、

 さらに広い視野が開けるものだ」

 


         ◇

 


スランプは、陥落、暴落、挫折と訳される。

それが転じて、好調を続けてきた選手

あるいはチームなどが不振に陥る

という運動用語に使われるようになった。

 

わたしの碁はどうかといえば、

この一年、よくもなく、わるくもなく。

新型ウイルス騒ぎで高段者の碁会参加が激減し

強い相手とお手合わせできる機会が減った。

どんな碁でも真剣に打つべきではあるが

やはり相手によっては気合いの濃淡ができる。

 

言うは易く行うは難し。

最近、いたずらココロが出てヘマが多い。

手が荒れているのが、頭打ちの原因か。

見知らぬ相手と緊張感を持って対峙できる大会や碁会所での

対局機会が増えてほしい、とぼんやり願っている。



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