【碁の本を「積読(つんどく)」こと
~ 買ったら、読みましょう!?
~ やらなかったら、できません
~ 人間、死ぬまでは、生きている。 の巻】
アメリカ人ギブソンは
カナダ州メリース村の貧家に生まれ
水車場の小僧から身を起こして
一代の間に巨万の富を得た。
広大な森林と鉄道網を手にし
米国屈指の大富豪となった。
ある人が金儲けの秘訣を尋ねたところ
彼は
「第一に酒を飲まないこと。
第二に苦労をいとわずに働くこと。
第三は神を信じて万事を疑わぬことです」
と答えた。
すると、その人は
「そんなことは誰でも言う。ありふれたこと。
三つの子供でも よく知っていますよ」
と、あきれ顔で言った。
ギブソンはにっこり笑って、穏やかに、
「いかにも。
幼児でも知っていることです。
しかし六十、七十の老人になっても
なおこれを行うことができないと、
何にもなりませんよ」
◇
何年何十年やっても上達しない方。
5級のままで止まっている方。
上級(1~3級)までたどり着いた方。
初二段には なんとかいった方。
「もうこれくらいで、十分」とは、
まさか、本音ではありますまい。
やりようによっては三段、五段はいけます。
人間、死ぬまでは、生きている。
手始めに、文字の大きい、分かりやすい
そう、やさしい囲碁本を買いましょう。
さて、その後は、どこまで活用するか。
階段を再び上る人あり、なお足踏みする人あり。
呉清源の来日は昭和3年の14歳の頃だが
独学で既にプロ中堅の棋力を持っていた
呉少年はずっしりと重い古碁の棋譜集を
幼い手で持ち続け、盤面に向かってきた
忘餐忘睡の毎日は左手の指を変形させた
彼は全ての高手をことごとく打ち込んだ
引退後、100歳で亡くなるまでの30年間
研究・指導・執筆を、絶え間なく続けた
幼少の頃、絶対王者の頃、余生を送る頃
本因坊秀策の譜を片手にする時はいつも
忘我・愉悦の時間だったに違いないーー