囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

歴史は知っている 4

2020年08月19日 | 雑観の森/政治・経済・社会

 

透徹した歴史観のない政治がたどる道 ~ おともだちだけで固めた「馴れ合い政治」の危うさ ~ 最初の憲法が指摘していた の巻】

 

和なるを以て貴しとし、
忤ふること無きを宗とせよ

(やわらかなるをもってたっとしとし、
さかうることなきをむねとせよ)

             聖徳太子「憲法十七条」


<融和することを最も尊重し、従順であろうと務めなさい>


         ◇


憲法十七条の第1条である。

まず朝廷に仕える豪族や官人に示した。

この和合の精神こそ、

太子が深く帰依した仏教倫理にあずかっている。

 

太子は、これに続けて

「人は誰しも自分に気の合う仲間を作りたがるもので、

それが過ぎることが皆と仲良くできない理由である。

物事の道理を良く分かっている人は少ない」

(人皆党有り。また達る者少なし)

と喝破している。


古代国家成立期には、血で血を洗う権力抗争が繰り返された。

その真っただ中に立たされた太子であったが

彼の子 山背大兄(やましろのおおえ)のたどった

過酷な運命にも抗うことはできなかった。

 

平和を希求する崇高な悲願だったが、

それは生前、ついに叶わなかったのである。

 

 

「彼の悲しみは、彼の思想の色だ」 小林秀雄

 

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