それ知恵おおければ
憤激(いきどおり)多し
――コヘレトの言葉(伝道の書)
およそ愚かさは自己に対する嫌悪に悩む
――セネカ
愚者の生は死よりも苦しい
――旧約偽典
【悪気がなければ、何でも許されるのか?問題
~ 糠に釘は、俗物にして、侮り難い強みぞな の巻】
トン、チン、カン。
物事の辻褄(つじつま)のあわぬ
という意味に使われることば。
鍛冶屋が槌(つち)で刃物を打つときに
その調子が合わぬことから生まれた。
転じて、世間一般では
少しマヌケた話をしたり
スジの通らぬ奇妙な行動をしたり
そういうヒトを指して
「アレは少しトンチンカンだ」
と言う様になったのである。
◇
このところの国会中継をみていると、
「覚えていない」(→深刻な記憶障害のフリ)
「コメントを差し控えたい」(→ウソをつきたくはない)
「賭けマージャンぐらいのことで」(→結局は略式起訴)
「会食は……しました」(→だったら最初から言うべし)
子供だましの政治家や官僚が増殖している。
ボケるのには、まだ早いのだが。
トン、チン、カン。てごわい。
さすれば、
お国の大事な事をお任せするワケにはいかない
と思うのだが、どうであろうか。
ま、そうイヤミを言わずとも、
国政の場のウソ、マヤカシの類いはともかくも
本物の本当のトンチンカンは
巷では5人、10人のうち
1人くらいはどこにでもいる。
「天然な人」といえば、ご愛敬だが、
会議・打ち合わせでの席で
頓珍漢な事を言う人に閉口したことはありませんか?
こちらが質問した事に対して、
予想もしない方向の答えを返してくる人はいませんか?
または、逆に、相手が話を切り出してきたけれど、
何を言っているのか分からないということはありませんか?
こんなとき、腹を立ててはいけません。
ほかにも
「おっちょこちょい」
「無責任なことを平然と口にする」
「他人事のようなことを言う」
「問題を先送りしようとする」
「非常識なところがある」
「柔軟性がない(頑固か意固地か)」
「視野が狭い」
「子供っぽい」
「油断している」
「ぼんやりしている」
「人を信じやすい」
普通のヒトと理解の仕方が少し違うのかもしれません。
もしくは自分中心にしかモノゴトをとらえられず、
人の話をぜんぜん聞いていないのかもしれません。
歳を取ると、その場の空気を読むことなく、
相手の話の途中でも、言いたくなったら最後、
大声で話し出してしまう人がいます。
ああはなりたくない、と思うのですが
「歳のせい」なら仕方がないかもしれませんね。
わが身も、いつ、そうなるか分かったものじゃない。
高齢者のお仲間に入る直前の わたしはいま、
複雑な気分となることがあるのです。
▼想像力がちょっとでもあれば、こんなことにはなりません
▼世の中をなめてさえいなければ、大恥をかくこともなかったろうに
▼調べたらすぐ分かるのに、みっともないったらありゃしない
この投稿
頓珍漢な人に
読んでほしい
と思って書きました
でもね、分かるかしらん
トンチンカンさんに――
拝啓。
一つだけ教えて下さい。困っているのです。
――トカトントン 太宰治