【高齢者ビギナーからの〝老年の練習〟】
歳を重ねると
歴史が好き、時代劇が好き
となってきた
古いもの、変わらないものばかり
これは危ない兆候である
高齢男性は〝定番脳〟である
何かを変えるのが不安で不快
行き付けの飲食、散髪、遊び方等々
なんとなく変えない
自分の選択した過去をひきずる
頑固はともかく意固地に過ぎる
最後一件落着の時代劇は
安心して見ていられる
ハッピーエンドを否定しないが
最後はいつもワンパターン
ともすれば飽きがくる
このところのデジタル社会だが
日進月歩はさらに加速度的である
現金払いの店が急に少なくなり
スマホとカードが手元になけりゃ
不便で仕方がなくなってきた
怪しい電話やSMSも頻繁に来襲し
〝化石人間〟には生き辛くなる一方だ
ふと気が付けば、我が身の周辺
認知の雰囲気プンプンであり
口を開くと健康と病気の話ばかり
これでいいのか、と嘆息する
では、対策はいかに――
事なかれ主義や虚無に陥るなかれ
改革や情熱の姿勢を持ち続けよ
八方美人はもってのほか
好々爺ぶるのはやめよう
ヒトがどう思おうと構わずに
優しさと厳しさを峻別しよう
とどのつまり、内なる意識は
柔らかく、かつ、尖がってゆこう
わたしなりの老いの戒め