囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

歴史は知っている 19

2020年09月13日 | 雑観の森/政治・経済・社会

政府を批判しない新聞は存在する意味がない。 

 キャサリン・グラハム(ワシントン・ポスト紙の社主)

 

 

 

メディア権力を、歴史的に“観察”してみる ~ 権力を選ぶのは誰か? の巻

 

 

 

<上> メディア編 

 

 

読者の耳目を眩(くらま)すが如きもの

豈(あ)に新聞紙の天職ならんや。

<発行停止となった「万朝報」紙の正当性を述べ、

新聞紙条例の不当と他紙の時流便乗を批判した一節>

 黒岩涙香「停止及び解停」 明治26年

 

 

新聞を必要とするように

今のわれわれの生活を導いたものは

新聞自身であるかもしれない。

 寺田寅彦「一つの思考実験」 大正11年

 

 

新聞の記事は、こと、自分に関する限り、

たいていどこか間違っているものであるが、

それが他人のこととなると、

悉(ことごと)く正確であるかのような錯覚を起こさせる。

 三木清「読書と人生」 昭和17年

 

 

本来、ジャーナリズムとは

「柔らかい」ものなのである。

 林達夫「編集者の言葉」 昭和23年

 

 

ジャーナリズムこそは 現代の呪術師であり、

ジャーナリズムこそは その秘儀の祭壇であります。

 福田恆存「芸術とは何か」 昭和25年

 

 

ジャーナリズムというのは

派手に局面を変えていくもので、

変わり方がぱっぱっとしているだけに、

その前のことを忘れさせるようにできている。

 中野重治「これからの話」 昭和27年

 

 

 

 

 

 

<下> 権力編 

 

 

位置は猫を虎にする

<権力の位置につけば猫でも虎になって威張るの意>

 徳富蘆花「黒潮」 明治36年

 

 

政治家ちう者は

憲法に抵触せぬように

憲法以上の仕事をしていくのが命じゃ

 二葉亭四迷「ひとりごと」 明治38年

 

 

一団の人間が一度権力を獲ると、

彼らは権力を得たゆえんの正義の方を忘れて、

権力の方を後生大事に持ちたがるものである。

 菊池寛「権力」 大正12年

 

 

権力や富を握っている生活者は、

社会の現状の急激な変化を

本能的に恐れるものである。

 伊藤整「安定と変化」 昭和29年

 

 

独裁や恐怖政治は、悪人がいて、

それが突然作り出すものではない。

むしろ われわれの考えの中にある。

極端なものだけを真実だと思いたがる性質が、

それを作り出す準備をしている、というべきだ。

 伊藤整「極端から極端」 昭和29年

 

 

政治家は自己の主観的欲求を

集団の欲求に客観化する奇妙な才能を持っている。

 立原正秋「週言」 昭和50年

 



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