「スパイの妻」 劇場公開 2020年10月16日/20年製作/115分/日本
【こんなに長生きなのに ~ なぜか現代人は時間に追われている の巻】
長い映画が見られなくなってきたわたし。
おうち時間の暇つぶしに「2時間」超はつらい。
今でも映画館に足を運ぶが「2時間半」前後なら
よほどの作品でない限り、まず行かない。
そもそも上映時間の何倍何十倍の映像を撮って
その映像の中から選んで仕上げていくワケだから
削りに削って必然性のあるコア部分で創ればいい。
どうしても削れないのであれば編集力とセンスがないだけ。
3時間4時間の大作も見てきたが、もう一度みようとは
なかなか思えないこのごろである。
現代を生きるということは、
そのような気がしている。
「早わかり」「コンパクトにまとめる」が是とされるが
それは「現代」の特有の病であり、
上手に付き合っていくしかない。
◇
碁のアマ大会では専用の対局時計を使う。
1人の考慮時間は、有段者40分、級位者30分が相場。
時間が切れると、即 負けだから、案外忙しい。
要所のために時間を残しておくので、速めに打っていく。
リズムよく、それなりの形で打たなければ、即 非勢になる。
プロの早碁より時間が短く、勝敗の分岐点ではやはり焦る。
時計を使わない普段の対局でも “長考”は相手に敬遠される。
だいたい1局「1時間半」ほどで終わるが、これも相場だ。
時折、早打ちのクセが抜けず、相手に着手を促すヒトも見かける。
品格を疑うマナー違反だが、気持ちは分からなくもない。
長考の基準は、個々人の“体内時計”よるからである。
おおむね「2時間」をかけると、相当な入念局になる。
わたしが主宰する二つの小規模碁会は制約を設けていない。
そういうメンバーだけを選んで集めたからできるのだ。
「1時間半~2時間」
いまのわたしには、
このあたりが「一つのことを続ける時間」の
ジャストサイズのようである。