囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

「真心」を説く

2020年09月12日 | 雑観の森/政治・経済・社会

 

名宰相と家臣との関係は ~ 古典「忠経」から の巻】

 


「忠」はあるいは真心のこと。

この書の教えるところは、

家臣・家来が主君に尽くす道に限定している。

 

さて権力構造は、いかにあるべきかを問う。

樹木の幹を見るか、枝葉を見るか。

森を見るか、木を見るか。

どこから見るか。

 


         ◇

 


天下の耳目を以て視聴と為し、
天下の心と為す

 いにしえの聖人はよく民の声を聞いた。
 すなわち、天下の人の耳をもって聴き、
 天下の人の目をもって視る。
 更に天下の人の心をもって わが心とする。

 


順にして之れを安んず

 安らかということは
 万人の望むところではあるが、
 君子は、その安きを求めるために、
 まず道に順(したが)い、
 それによって安きを得る。

 


国の道四あり、
一に曰わく賢を貢す
二に曰わく猷(ゆう)を献ず
三に曰わく功を立つ
四に曰わく利を興す

 国家を治める道が四つある。
 賢人を登用すること。
 大計を献上すること。
 功績を立てること。
 民利を興すこと。
 「猷」は正しい道という意味。

 


徳は理を為すの本なり

 道徳が治道の根本である。
 「理」は治めることの意味。すなわち政治。

 

 

正に任じて邪を去る

 正しい人を任じて、心のよこしまな人を退ける。

 

 

 

忠経(ちゅうきょう) 中国の経書の一つ。「孝経」に擬して述作せられ、18章からなり、その章名も孝経に照応している。主君に仕える忠孝の道、忠道を概説した経典。一般に孝経に比べ、忠経はあまり知られていないが、江戸時代には絵本なども作られ、相当広く読まれていた。

 

 

 



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