【三十年続いた百人囲碁同好会は
そもそも、誰のものなのか?
~ 「雇われ店長」首を傾げる―― の巻】
事独り断(さだ)む可(べ)からず。
必ず衆(もろもろ)と論(あげつら)ふ宜(べ)し。
(大事な事は、必ず独断を避け、衆議によるべきである)
――「十七条憲法」聖徳太子
相談は一人一人に限る。
大勢寄ると、
各自(めいめい)が自分の存在を主張しようとして、
稍(やや)ともすれば異を樹(た)てる。
それでなければ、
自分の存在を閑却された心持になって、
初手から冷淡に構える。
相談はどうしても一人一人に限る。
――「三四郎」夏目漱石
「<人生の先輩>ばかりの百人同好会で
皆さんのお世話役をやっている」
と言えば、例外なく、相手はすぐに
「それは大変でしょう」と〝同情〟してくれる。
人間、歳を取ると判断力に優れる面もあるが
過去の成功体験?にとらわれるあまり
的確に現状分析できなくなりがちである。
気力(棋力?)も衰え、我執が強まることが多い。
「それは……大変といえば、大変です」とわたし。
しかし、それが「世話人」の宿命であり、
あながち、やりがいがないわけでもあるまい。
生来おせっかいであり、良くいえば世話好き。
ま、趣味のひとつ、のようなものである。
◇
世話人も2年目。
今回は、任期2年だから、
接触・交流・親睦の機会が増す。
しんどい面もあるが、楽しいのである。
さて、
毎回、話も、理屈も、通じず
なんとも「食えない」世話人会に
「太子」と「漱石」を使い分け
なんとか、これまでやってきた。
残りの任期は「1年11カ月」ときた。
ココロが折れそうになるが、先は長い。
幸い、疫病騒ぎのなかで、しばらくはお休み。
リフレッシュして、また出直そう――。