「夜中の電話に対応してるの?」
「いいえ。悪いな、とは思うのですが
就寝してますし。留守電にしてありますから
用があれば 吹き込んでください、と思って。
昼間なら いくらでも電話に出るんですし。
だけど、気の毒で、目に見える様なんです。
グッショリと冷たい雨に濡れて、ただ泣いている
義妹の姿が…
私の傘を 差し掛けてあげられないものか…
立ち上がれるように 手を差し伸べて
あげられないものか…
だけど、全くのお門違い。
まるで 豆腐屋に来て
ダイヤモンドを下さいと言ってるみたい、
とも思うんです。」
「じゃあ、夜中の電話は鳴らなくなったのね?」
「ハイ、その代わりに
長ーいメールが 来るようになっちゃって、
姪からも 長ーいメールが来るんですよ。
『お姉ちゃんでしょ!?』って
私、この『お姉ちゃんでしょ!』は 本当に苦手で。
どんなに子供の頃 この言葉に
グッと歯を食い縛って 我慢させられたか
知れません。」
「長いメールは辛いでしょう?」
「そうそう。もう老眼ですから。ハハハハ」
「返事のメールは?」
「正論は人を傷つけるから、
振りかざすのは辞めようと 思っているのですが、
姪には『自立して、独立してから
あなたのお父さんとお母さんの事を考えましょう』って
出しちゃったんです。
義妹にも『チャント病院へ行って健康になりましょう』って
出しました。そしたらメールも来なくなりました。」
「義妹さんは何か病気?」
「病気どころか、メマイ・パニック障害・
過呼吸・耳鳴り・心臓・胃・腸、具合が悪いんですって。
それなのに、医者や病院にダメ出しをして、
通院していないって言うんですよ。」
「じゃあ、たいして悪く無いって事よ。」
「え?」
「本当に具合が悪かったら、病気だったら、
医者や病院にダメ出しなんか出来る?」
(;´д`)トホホ…