再び筆を起こす

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方向音痴はつらいよ

2021-05-30 16:58:02 | 日記
 「オイ。電話だぞ?」
「はい、もしもし?」
「こちらは救急隊です。今日 昼前、
駅のファミレス前で五陰盛久子さんが倒れました。
五陰盛久子さんの娘、鷹乃羽ケメコさんの
電話でよろしいんですよね?」
「ハイ。五陰盛久子は私の母です。」
「長男の五陰盛久郎さんは 携帯を持たなくて。
ご自宅は留守電で、吹き込んではみたのですが、
連絡が取れないのです。
五陰盛久子さんは、総合病院に入院されました。
至急、総合病院に行って下さい。」
「ハイ。わかりました。
母は父と一緒では無かったのですか?」
「夫の五陰盛久蔵さんも一緒です。」
「ハイ。ご連絡有難う御座います。
至急、向かいます。
 殿、聞いていてくれた?」
「聞いてた。
これが入院した病院周辺の地図。
これは電車の乗り継ぎをプリントアウトしたから。
すぐ行こう。」
「ありがとうね。着替えなくていい?」
「もう いいよ。あ、また電話。」
「ハイ、もしもし。」
「サ高住のスタッフです。
今、救急隊から連絡をもらいました。
どうやら駅前のファミレスに入ろうとして、
入口付近で倒れられたようです。
 長男の五陰盛久郎さんに連絡をしたいと
ご自宅に電話しても、留守録、
携帯を持たないので連絡が出来ません。
至急、総合病院に行って下さい。」
「救急隊から、私達の方にも 連絡がありました。
すぐに向かいます。有難う御座います。
 サァ行こう。
どんなに急いでも2時間半は掛かるんだから……」

「あそこが救急受付だ。
すみません。今日、昼前 駅前のファミレス前で
倒れて、救急搬送された五陰盛久子の
娘です。」
「ハイ、チョットお待ち下さい。
すぐに調べます。
 それなら、たった今 退院されて
お帰りになりましたよ?」
「え?じゃあ、大した事は
無かったんですね?
 良かったーー。
 殿、ゴメンね。又々こんな事で。
両親の顔見たいから、サ高住に
行きたいんだけど。」
「オレ、メマイが辛くて…これ以上、
どこかへ行きたくない。」
「そうか、具合が悪いのに
付き合わせてゴメンね。
 キット、きーちゃんは家に居るのに
留守番電話に出てくれないんだよ。
…傍迷惑な夫婦だよねぇ。」

      ┐(´д`)┌ヤレヤレ