忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

神機到来!だったらいいのに・・・・

2012年08月30日 | 過去記事



「労働者の祖国」と呼ばれたソビエト連邦が崩壊したのは1991年のクリスマスだった。この「人類に対するプレゼント」は東ヨーロッパから紛争を取り除き、経済連携という国際社会の知恵も根付かせた。4年後にはアメリカがベトナムと和解、その翌年の台湾では国民党の一党支配が終わった。もちろん、良いことばっかりでもなく、その後はアメリカによる一極支配の世の中が始まった。多くの血が流されたが、それでも共産主義よりはマシだ。

せっかくの「プレゼント」だったが、もらった張本人、旧ソ連の貧困層は戸惑った。いままでは政治犯でなければ「最低の生活」は保障されていた。モノは悪く少なく、決して西側みたいな贅沢はできなかったが、それでもスターリンに忠誠さえ示せば家族を喰わせることもできた。それからやっぱり「偉大な祖国」は誇らしかった。軍事面でもアメリカと張り合うレベルだったのは間違いない。それが資本主義の流入、蔓延に曝されると「金持ち優遇」の世の中が出現した。要するにアメリカが中から発現した。

富裕層は贅沢三昧でよろしいが、我ら労働者はどうなるのか、と仕事も探さずウォッカを飲んだ。それに急に「自由経済」とか言われても困る。新しい仕事なんか簡単に作れない。財閥はできても企業がない。雇う方もなにをさせていいのか、政府が決めてくれないからわからない。「消費者」とか「雇用」の概念もない。商売するにも犯罪が多すぎる。そんなことより我々は単純労働を繰り返し、それで飢えて死ぬこともなく、今日も明日も仕事が終わればウォッカを飲めればそれでいい。

モスクワの靴屋は「靴屋」という屋号でよかった。肉屋は肉屋、八百屋は八百屋でよかった。その値段も品物も偉大なる帝国が決めてくれていた。それがいま、自分で考えてなんとかせねばならない。嗚呼、全体主義が懐かしい、という労働者はたくさんいて、せっかくのロシア自由民主党を落ち込ませ、ロシア連邦共産党が議席を伸ばしてエリツィンをビビらせた。つまり、自由とか人権とか、これは簡単に馴染めないとわかる。伴う責任とか義務というモノは、少々、邪魔臭いモノなのだ。だから支那はあと数百年、まあ、無理だ。

ロシアは2000年あたりで天然資源がたくさん出た。だからなんとかなったが、決して自由経済が浸透して大国になった、というわけではない。自由経済が安定して成長するためにはアメリカなら法律、日本では信頼が必要だった。詐欺師と泥棒ばかりの場所では商売にならないが、日本は2000年以上かけて「信頼関係」を構築、熟成させてきた。だから強い。

しかし、日本もこの「ソ連崩壊」というクリスマスプレゼントを受け取れなかった。ちょっと熟成しすぎて腐っていた部分があった。とりあえずは政治だ。

ゴルバチョフが辞める2年前には「天安門事件」だった。支那共産党は外交的窮地に追い込まれていた。普通に考えると、ここで日本は西側陣営として、あるいは日本の国益の観点から止めを刺しておくべきだった。しかし当時、出来たばかりの「宇野内閣」はリクルート問題に消費税、牛肉とオレンジの輸入自由化、ここに女性問題が報じられ、ワシントンポストも「日本の首相がセックススキャンダル」と追い打ち、国内では馬鹿丸出しの「マドンナブーム」ということで、まだまだ真っ赤な日本がやったのは真逆、支那共産党を大いに助けることだった。つまり、天皇陛下の訪中を決めた。歴史に残る愚策だった。

ソ連崩壊時の総理大臣は宮澤喜一。この絶好の好機に日本社会党を潰し、日本共産党を消滅させるべきだったが、やったのは教科書検定を支那朝鮮に決めてもらう、という愚行だった。ソ連が解体、崩壊したとき、自民党も内部分裂で付き合っていた。結果、35年続いていた政権与党の座を追われ、6つの政党が連立する。日本新党、細川護煕が首相になった。

「ソ連を見本」としてきた日本社会党からは「土井たか子」が衆議院議長に収まった。世界的に旧ソ連の傀儡組織が弱体化する中、あるいは冷戦に負けた共産主義が衰退していく中、日本では社会党が躍進するという逆行現象があった。御蔭で細川元首相は「侵略戦争」を言い始める。土井さん、これでよろしいでしょうか、ということだ。

それからまた国会は空転。日本新党は解散して社会党は連立を離脱。たった64日だけしか持たなかった羽田内閣を経て、またまた自民党に御鉢が回ってくる。そのときの自民党総裁が最悪の河野洋平。コレがまた、頭の中が左に巻いているだけではなく、支那朝鮮に忠誠を誓うアレだったから「政権復帰だけの目的」で安易に社会党と組む。条件は「社会党から首相を出してもいい」だった。「ベルリンの壁」が壊れ、天安門事件が勃発し、旧ソ連が崩壊してから、日本は真っ赤なだけで能がない連立政権が誕生した。

「日米安保容認」「自衛隊合憲」を認めた村山元首相がやったのは「謝罪外交」だった。支那朝鮮に謝って賠償金を支払いましょうという「政策」だ。これを国会で決めましょう、法律にしてしまいましょう、という驚愕、恐るべき売国法案だったが、これはなんとか免れた。当時もマトモな政治家が何人かいて衆院では過半数に届かず、参院では採択されなかった。そこで村山は「戦後50周年の終戦記念日にあたって」として声明を出し、これを閣議決定すれば未来永劫、日本を貶めることが出来ると思いつく。「村山談話」だ。

せめて社会党が解散したときにゴミ箱に捨てるべきだったが、これがなぜか、その後の自民党政権も「踏襲」し続ける。政権が代わる度にメディアは「靖国参拝するのか?」と合わせて「村山談話を踏襲するのか?河野談話はどうなんだ?」と踏み絵にした。2005年には「村山談話」を踏襲して出された「小泉談話」もあった。期待された安倍内閣だったが、これも<私の内閣で変更するものではない>でずっこけた。

「お友達の嫌がることはしません」の福田内閣はともかく、その後の麻生内閣にまた期待した。「村山談話?河野談話?ンなもん踏襲したら、日本はずっと支那朝鮮の俘囚(ふしゅう・捕虜のこと)だぜ」とは言ってくれず<さきの大戦をめぐる政府としての認識を示すものであり、私の内閣においても引き継いでまいります>だった。ずっこけた。

それから田母神氏の「論文問題」もあった。「村山談話」という「政府見解」と違うことを書いた、として現役の航空幕僚長を降格処分、定年退職扱いとした。37年間、日本の国防を担ってきた航空自衛隊五万人のトップを、防衛大臣の辞令もなく、離任式もせず、防衛省ではなく時事通信社の会議室で記者会見させた。日本政府は支那朝鮮の俘囚だった。

ところで、この腐臭(ふしゅう・腐った臭い)を放つ「村山談話」だが、この声明の最後の方に「杖るは信に如くは莫し」という支那の成語が出てくる。意味は「頼りとするものとしては信義に勝るものはない」になる。「真心込めて約束を果たしましょう。それがなによりの信頼を得る方法ですよ」みたいな感じか。今更ながら溜息が出る。

李明博の竹島への不法上陸。犯行動機は「慰安婦問題」があったとか言う。日本人は関係ないだろ、と怒るが、実のところ、ある意味でコレは正解である。どころか支那人の尖閣諸島の不法上陸もそう。ロシアの北方領土侵略もそう。もちろん、北朝鮮の拉致もそうだ。これらの真因は「慰安婦問題」であり「南京大虐殺」であり「沖縄集団自決」であり「朝鮮人強制連行」なのである。日本がくだらぬウソをそのまま通し、国内に蔓延る左巻きを放逐するからこうなっている。侮られて軽くみられるから舐められる。簡単な話だ。



杖るは信に如くは莫し――――真心込めて約束を果たす相手は靖国神社に眠る。それをせぬから信頼の欠片もみつからない。そんなことすらやらないから、チンケなチンピラ国家に舐められる。そんな不義理をする国は不法上陸も密入国もされると知れている。大使館に汚物が投げられたり、大使の車から国旗が奪われたりなど可愛いモノだ。この延長線上には必ず軍事的な挑発もあるし、無謀な実力行使を躊躇うこともない。

いま、何度目かの好機がきている。李明博のお陰で「河野談話」が見直されるかもしれない。証人喚問しろ、と威勢のよろしい声も聞こえてくる。さっさと吊るして撤回するのが賢明だ。また、韓国の未熟な非礼外交は諸外国が広く知ることになる。日本はもっと宣伝すべきだ。支那も困っている。反射的に謝罪してきたのが証左だ。丹羽大使とはいえども日本人、コレを襲った犯人をどうしたものか、とても悩んでいる。「愛国無罪」を逆手に取られ、厳罰にすれば弱腰と誹られ、甘くすれば模倣犯が出る。四面楚歌は支那朝鮮だ。

ピンチの後にはなんとか、いま、野田政権も風前の灯だ。民主党とか元民主党とかの議員は全員落とすくらいの気持ちで「そのとき」を迎えたい。「自民にお灸」で盛り上がったんだから、今度は「民主党には火炎放射機」で盛り上がろう。ついでに社民党を吹き飛ばして、共産党の議席を今の半分くらいにする。これも「人類に対するプレゼント」になる。



2 コメント

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ソ連崩壊時 (近江謄写堂)
2012-08-31 20:06:50
なかなか、奥の深い考察ですね。
もう1つ、逃した大きなネタがあります。
「北方領土」であります。ソ連が崩壊して、エリツィンの時、石油が出てくるまではロシアはデフォルト寸前でした。もう少し上手く外交をしていれば、北方領土を「買い戻し」出来ていたかもしれないな、と思うのです。
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Unknown (久代千代太郎)
2012-09-07 14:31:20
>りじちょ

北方領土ですねぇ

いずれにしても、日本は敵性国家が困っていてもなにもしないどころか、手を差し伸べたりするから意味不明ですな。そこが好きな部分、世界に誇れる部分でもありますが、まあ、どこまでも通じませんやねぇ・・・
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