今日は需要など無視して(ここ重要)、将棋界の基礎知識を書きたいと思います。
〇棋戦
まずは日本将棋連盟が主催する棋戦について書きます。
・タイトル戦
プロ棋士の「タイトル」は全部で8つあります。
棋戦を勝ち抜いた挑戦者とタイトル保持者の番勝負は年に一度行われます。
(2020.03.05現在の保持者)
竜王戦 豊島将之
名人戦 豊島将之
叡王戦 永瀬拓矢
王位戦 木村一基
王座戦 永瀬拓矢
棋王戦 渡辺明
王将戦 渡辺明
棋聖戦 渡辺明
このタイトルの並びは賞金順で、そのままタイトルの格となっています。
かつては7大タイトルでしたが、2017年から叡王戦がタイトル棋戦として設定され、2018年の7番勝負で高見泰地六段(当時)がタイトルとしての初代叡王となりました。
数あるタイトルのなかでも、特に竜王と名人はやや抜けた感じがあります。そのことが感じられるのは、タイトルを複数所持している場合。
例えば叡王、棋王を所持していれば「〇〇二冠」と呼ばれますが、名人が加わって三冠となった場合「〇〇名人」と呼ばれることが普通です(竜王も同様)。竜王と名人を同時に持つと「〇〇竜王・名人」となります。
今、とよぴーこと豊島さんが史上4人目の竜王名人となっています。
まとめると3/5現在のタイトル保持者は
豊島将之竜王名人、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、渡辺明三冠の4名となります。
・最年少タイトル獲得
藤井聡太七段の活躍が話題となっていますが、これまでのタイトル獲得の最年少記録は屋敷伸之九段の「18歳6ヵ月14日 」挑戦は同じく屋敷九段の「17歳10ヵ月24日 」となっています。実は藤井七段はもう17歳。今年の7月で18歳になります。
「最年少タイトル挑戦」の可能性が残されているのは現在決勝トーナメントが進行中の棋聖戦のみとなります。(しかし普通に決勝トーナメントに残っていて、しかも挑戦まであと3勝まで来ているってすげえw)
「獲得」まで広げると棋聖戦、王位戦、王座戦、竜王戦の4棋戦となります。(てか王位戦は挑戦者決定リーグ入りして白星スタートしてるってこれもすげえw)
・最年少名人
名人戦はリーグが分かれていて、最上位のA級で1位となった棋士が名人に挑戦するという方式です。プロデビューはC級2組からですので、C1、B2、B1、A級とストレートで昇級しても最短で5年かかることになります。
最年少名人の記録を持つのは谷川浩司九段で、なんと21歳。中学生でプロ棋士となり、初年度こそ昇級を逃したものの、あとは全てストレートで名人まで登り詰めています。
藤井七段は昨期1敗して昇級を逃し、今期は全勝で昇級を決めて来期B級2組です。ここからますます相手が上位となるなか、負けられない戦いになっていきます。
・通算獲得数
羽生善治 99
大山康晴 80
中原誠 64
谷川浩司 27
渡辺明 23
一つ獲得することでもとてつもなく大変なタイトルを、99期も獲得している人がwww
ほとんどの棋士が「0期」で終わるなか、この人たちはまさに天才中の天才と言えるでしょう。
羽生さんは通算100期という大記録が掛かっていますが、達成できる保証は全くありません。今の将棋界の拮抗した状況や、コンピュータでの研究を含めた情報の勝負であることを思えば、その棋戦でただ一人の挑戦者になることは本当に難しいことなのです。
それにしてもこれまで、どんだけ抜けて強かったんや、という感想に尽きますね・・・w