根子岳・東峰(1408m)
(東峰から天狗のコル縦走)
令和元年11月6日 快晴
(行程) 大戸尾根登山口(発8:00)→展望台(着9:40~発10:00)→東峰頂上(着10:25~発10:30)
→蟻の戸渡り(着10:50)→稜線で昼食(着11:40~発11:50)→天狗のコル崩壊沿い
(着12:15~発12:45)→東峰(着14:00)→登路沿いで「ツルウメモドキ」採取
大戸尾根登山口(着16:00)
「天狗のコル」へのル-トは、
九州北部災害(平成24・2012.7.12)でヤカタガウドル-トが断絶、
熊本地震(平成28・2016.4.16)で見晴新道ル-トも崩落し、
阿蘇谷側から最短距離で登るこの二つのル-トが消滅した。
残された阿蘇谷側からのル-トは現在、
釣井尾根と箱石尾根のみであるがいずれも東峰を経て
縦走路を踏まなければ「天狗のコル」には行けない状況である。
そんな事由で熊本地震以来「天狗のコル」への登高は
ご無沙汰仕舞いであった。
我が家のPC席から日毎に見上げる「天狗岩」・・・
熊本地震で崩落した岩盤が青白い岩肌をむき出しにしている・・・
何時かは、天狗のコル「岩盤崩落現場」を
自分の目で見たいという欲望が続いていた。
心配していた脚力、
先週登った三俣山で自信が持てたようであるので、
昨年実現しなった「根子岳・東峰~天狗のコル」縦走を、
今回、紅葉観賞を兼ねて相棒の石ちゃんを誘い決行することとした。
今朝はかなり冷え込みで霜が広がっている。
我が家を7時出発予定であったが今朝の冷え込みで
石ちゃんの軽トラのフロントガラスが
凍結していて20分位遅れて到着・・・
登山口駐車場は既に満杯、牧野道最上部の空き地に割り込み
駐車(軽トラは利便がよいものである)。
根子岳縦走路を歩くことは2011年以来であるので
8年振りである。
もちろん熊本地震後は初めてであるので縦走路の登路状況に不安があり、
トラロ-プ(12m×4本)とハ-ネスを携えての山行となった。
↑ 【登路から釜割尾根を望む】
紅葉を囲むグリ-ンの杉林が、濃厚な色彩を放って美しい・・・
右下には前原牧場の牧野が視えている(牧道の終点が釜割尾根ル-トの登山口)
↑ 【登路から九重連山(左から稲星山・白口岳・北大船山・大船山・黒岳)を望む】
↑ 【「ワクド石」直下の展望台から対岸の南峰を望む 】
※ワクド石とは釜割尾根(前原牧場コ-ス) を登り詰め、
大戸尾根ル-トとの合流点に座す溶岩
↑ 【南峰のズーム】
根子岳の紅葉の特徴は、鮮やかな黄葉の樹木
(壇香梅:ダンコウバイ・油瀝青:アブラチャン・白文字・黒文字)が
豊富で黄金色に照る山肌に魅了される・・・
↑ 【南峰の登山ル-トを確認する】
南峰の背後に南外輪山や清栄山そして遠望に九州山地を眺望。
↑ 【東峰頂上にて】
↑ 【頂上からこれから歩く、天狗岩縦走路を眺める】
連日吹き上がる火山灰(ヨナ)が今日も棚引いている・・・
↑ 【見晴新道分岐手前の主稜線から天狗岩を望む】
↑ 【上記画像の「天狗のコル」崩落部をズ-ムで撮影】
↑ 【天狗のコル付近から地獄谷の紅葉を望む 】
↑ 【崩落現場先端から天狗のコルを眺める 】
↑ 【崩落部の源頭 】
↑ 【崩落部の裾 】
↑ 【崩落現場最先端からヤカタガウドのメガネ岩を望む 】
竿河原から見ていた昔のメガネ岩は
熊本地震で上部は完全に崩落した模様である。
地震後に新たにメガネの空洞が出来上がったのであろうか・??
↑ 【 上記のズ-ム】
↑ 【天狗のコル付近から地獄谷源頭部の紅葉を眺める 】
↑ 【天狗のコルから地獄谷の下流側を望む 】
↑ 【復路の縦走路から天狗岩を振り返る 】
↑ 【復路の縦走路から天狗と棚引く噴煙を振り返る 】
↑ 【東峰頂上直近の縦走路からの展望 】
今日は終日「天高く馬肥える秋」で透明感もあり
傾山や粗母山そして遠景に大崩山も確認できた。
↑ 【復路で再度、釜割尾根を望む】
西日に映える杉林、往路で見た時より美しい・・・
私の好きな一景
↑ 【登路沿いで採取した「ツルウメモドキ」】
赤い実と黄色の皮のコントラストが派手な色彩を放ち、
一年間位は色落ちしないので
部屋に飾るのに最適な一品・・・
(登山を終えて)
1)「天狗のコル」への縦走路は、熊本地震による災害は見受けられず、
昔のままの登路を歩くことが出来、持参したロ-プを使用することは全く無かった。
2)天狗のコルに阿蘇谷側から直登で近づくには、「見晴新道に新しいル-トを開拓」
するしかない(願望)。
私の好きな見晴新道、「見晴台」までは従来通りのル-トで心配なく行ける
ので今後も利用したいものである。
3)今日の山行で一番感動したものは、
親しい二人(山の先輩)に偶然にも同時に遭遇した事・・・
展望台で写真撮りをしていたら下山して来られた川上さん、
登って来られた藤井さん、ほぼ同時に鉢合わせした事が奇遇に思えて、
嬉しいひと時の語らいであった。
ж 藤井さんのグログ→「阿蘇のやまびと」
4)相継いで阿蘇の大地を襲った九州北部豪雨や熊本地震・・・
根子岳登山の代表的ル-トであったヤカタガウドも断絶し、
天狗のコルから立ち聳える天狗岩の岸壁が崩落し傷跡剥き出しの山肌、
先人達が眺めた山姿さえ変えた未曾有の天災地変・・・
経験しえないような出来事(山容が変遷する山の歴史)を
私の人生は身をもって体験した事となる。
そんな想いを巡らす「天狗のコル」現場検証であった。
(天狗のコルから眺めた紅葉・思い出の山行歴)
・平成20年・2008.11.01 根子岳・天狗のコル(ヤカタガウドコ-ス)
・平成22年・2010.11.03 根子岳・障子(見晴新道~ヤカタガウドへの周回)
(2019.12.15加筆)
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