根子岳山窓

(阿蘇住人の山行記です。)

阿蘇品坂 3月15日(月)

2021年03月15日 23時39分15秒 | 阿蘇山系

草の道・阿蘇品坂
(その昔、阿蘇品集落の人々が牛馬を引いて往還した、外輪山牧野への坂道)

令和3年3月15日 快晴

(行程) 阿蘇品坂登山口(発11:45)→五合目付近の広場(着12:30~昼食~発12:50)
             →外輪山頂部・牧野(着13:20)→市道出合(着13:30~発13:40)→
     外輪山側・阿蘇品坂入口(着13:50)→阿蘇品坂登山口(着15:00)

前回(2016.7.28日)登った時は、夏場で道は藪に閉ざされ、
登高を断念した思い出が残る。
草木が燃え出す前の「この時季」を見逃すと道探しに難儀する
だろうと思い、相棒の石ちゃんを誘って決行。

山行記には載せなかったが、3月10日・西湯浦集落の
草の道「岳ん戸坂」に挑でいた・・・
参考とする地図情報もなく入山したため、「草の道」は探し出せず
右往左往して難儀し、下山した。(写真)

今日の阿蘇品坂も確たる登山口の情報もなく、前回のル-トを辿ること
として石ちゃんの軽トラで阿蘇品の集落に入る。
「普門寺」沿いの山道に差し掛かつた所で
地元の老夫婦と出会い、
念のため阿蘇品坂について尋ねると、幸いにも尋ねた場所が
阿蘇品坂の入り口で、石畳みを指されて案内された。
親しみ感あふれる夫婦で
昔は、牛馬を引いて牧野まで登っていました・・・
奥様も登っておられたのですかと尋ねると
子供も連れて登っていました・・
道の模様を尋ねると
石畳みを過ぎた、先の道は分かりにくいかも、
鹿・猪が多か、年に一回は区役で手入れしている・・
とのことであった。

ここで、村人と出会わなかったら前回のル-トを辿り、
大変な事になって「岳ん戸坂」の二の舞を踏んでいたであろう・・・ 
そんな想いは一転して、
晴れ晴れとした気色で阿蘇品坂の石畳みに足を踏み入れた。

【草の道】
出典:「阿蘇草原キッズ・プロジェクト 草原環境学習基本プログラム」
からキャプチャー
https://www.aso-sougen.com/kyougikai/news/131015/008.pdf

【自宅近くの農道から確認】
左の山体には古閑坂・右の山体には大門坂が走る。

【阿蘇品坂登山口】
この曲がり角で村人と出会い、道を尋ねた。
よく見ると草の道を現わす石畳みがコンクリトの際から延びている。
前回は、これに気づかずコンクリト道を右に曲がって車を走らせた・・・
この位置は、普門寺 の寺標を左に見て通過し、
最上段に在る民家の塀際が左に見える。 

【入山から10分】
枯れ枝のしたは石畳みが続く

【鬱蒼とした杉林に苔生した石畳み】

【登路を振り返る】

【登路沿いの崖には、巨大溶岩群が座る】
このような状景が数か所に渡って立ち並ぶ・・・
まさにカルデラ壁を実感させられる貴重な雰囲気を体感する。

【工事名が記された標柱】
平成21年度阿蘇管内山地災害
総合減災対策治山事業火山地域第4号工事
平成21度の工事であるので
九州北部豪雨災害(平成24)・熊本地震(平成28)
にも耐えて景観が保全されている。

いにしえの集落の人々が汗で築いた、草の道の石畳みが
崩壊することもなく立派な形で残っている。
まさに阿蘇ジオパ-クに相応しい文化遺産と確信した。

【登山口から35分】
石畳みはまだまだ続く

【平坦な広場】
石畳みの登路はジグザクを繰り返しながら広場直下まで続いた。
林に囲まれた広場で昼食タイム。

【広場から延びる登路を北上する】
道幅も狭隘になり石畳みを見ることは無い

【樹木の間から阿蘇谷の田園が見える】

【道なりに歩くが、「草の道」では無いようである】
多分この道は流水で浸食された河床のようである・・・
この先からは、道を探し探しながら
杉・檜の植林帯の急斜面に付けられた踏み跡・獣道を辿り、
外輪山頂部に至る。
頂部からは稜線を西から東に水平移動して
牧野に出る。

【稜線上にある牧野への出口】

【牧野側から登路を振り返る】

【登路と牧野の境に在る看板】

【牧野ゲ-トからNTT無線塔が建っている丘陵を望む】

ここから復路にて

【遠景に根子岳を望む】
牧野ゲートから阿蘇品坂への入り口に戻る

【復路で登路を再確認する】
往路では気づか無かった、右への道を検証する。
「草の道」に相応しい道幅が山頂部に向かって延びている・・
従って、往路で辿った道は「草の道」では無かったのであろう。

【上記の分岐直下にチヨロチヨロ流れる水場あり】

【西国霊場 阿蘇15番札所 の寺標】

【普門寺(ふもんじ)本堂】

【堂幅】

登山を終えての考察 

1)藪化しているかっての「草の道」は入山する人も少なく
ネットによる登山情報も余り見当たらないのが現実のようである。
従って登山口探しも、下調べなく
前回の登山口に向かった次第であった。
村人と出会わなかったら
大きな「見当違いのル-ト」を歩く事となっていたであろう・・・
そのことを反省して帰宅後、時間をかけて地図等を調べた
その結果、「外輪山地形復元調査」なる貴重な資料も拝見
する事に至った。

2)これまで登った「草の道」の中で、「石畳み」が最も美しくいにしえの
名残を維持している坂では、なかったのではなかろうか・・・

【ハイカーズマップより】

Google マップより】
ル-ト図は私のイメージで作成

【自宅近くの農道から撮影】
ル-ト図はイメージで作成しているので正確ではない。

【阿蘇品坂登路図】
出典:「阿蘇山を眺めて暮らす自由人!> 外輪山地形復元調査」
からキャプチャ-
https://blog.goo.ne.jp/freedom_aso/e/615f5e67deae1c4630932e69ba4c6a71

Ж 参考にしたサイト
   阿蘇草原保全活動センター 草原情報館
   草の道 – 阿蘇草原写真館 (aso-sougencenter.jp)

(私が過去に歩いた「草の道」)
  2011.01.14 栗の木坂
  2011.02.22 三野坂
  2011.03.27 古閑坂
  2011.04.06 願成就坂
  2016.03.22 木落坂~片隅坂
  2016.07.07 古閑坂
  2016.07.28 阿蘇品坂・磐名木坂
⓼  2021.01.19 阿蘇北外輪山・兜岩
⑨  2021.01.31 九州自然歩道・外輪壁ル-ト
⑩  2021.02.09 阿蘇北外輪山・ようち坂

(2021.03.21 加筆)

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