エッセイ

雑記

下着泥棒

2019-07-14 14:54:47 | 日記
早朝、部屋のピンポンが鳴った。
ちょうど、例により夕べ飲み過ぎて、便器を抱えて吐いているところだった。
時間が時間だっただけに、完全に「取り立て」だな、と思った。
「NHK」か、それとも「○◯組か?」
と思いながらドアを開けると、「桜田門」だった。
警察だ。
警察に借金はない。
何の話だ?
と思うより先に、相手がオレの顔を見て、引きつっていた。
便器で吐血したばかりだ。
「なんすか?」
と問うと、「近所で下着泥棒が出た。なんか知らねぇか」と来た。
思わず噴き出した。
まさか、オレに性犯罪の嫌疑がかかるとは…。
下着をパクっている暇があったら、レイプしている。

何より、口の周りが血だらけなだけに、そのまま連行された。
取調室で、容疑が「下着泥棒」だけに勢い余って「強姦」にまで犯行が及び、生理中のオンナのアソコをなめたのだと思ったらしい。

…アホか。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致

2019-07-12 20:35:39 | 日記
先日、酔った帰り、久しぶりにそこらの路上で目を覚ました。
土砂降りの雨中のことだ。
数年ぶりの醜態だ。
酔ってどこかにすっ飛ばしたようで、眼鏡がなく、補聴器もない。
携帯電話もなかった。
いい歳して、さすがに泣きそうになった。
せめて、携帯電話さえあれば…。
そう思い、見えない目で辺りを捜した。
裸眼で、視力は0.02くらいしかない。
ただでさえしこたま酔っている上、雨中の中、街灯のない闇の中でモノを捜すなど、無理だ。
だが、幸いなことにケータイが赤色だったことが功を奏した。
草むらの中、赤は目立つ。
割と近く、手の届く範囲に転がっていたことも幸いした。
手を伸ばそうとした時、それより先に誰かの手が伸びてきた。
視線を上げると、オンナだった。
「大丈夫ですか?」
そう問いかけられた…ような気がした。
普段、補聴器がなければ相手が声を発していることもわからず、なにか言っていることはわかっても、余程話しなれた相手でなければ、周波数の関係かなんなのか、言葉を聞き取れない。
「行こう」
そう言われたような気がして、手が伸びてきた。
言われるがままその手を取り、着いていった。
途中で、ふと思った。
「行こう」って、どこに行くのか?
そのことに気づき、やがてさすがにヤバいモノを感じ、手を振りほどこうとした。
オレのその気配を感じたようで、相手が、逆に手を引っ張ってきた。
一瞬、「誘拐」という言葉が頭に浮かんだ。
酔っ払いの50過ぎのオヤジを誘拐して、どうするのか。
次に、「まさか北鮮の拉致か?」
とも思った。
だが、オレを拉致したところで、あの国になんのメリットもない。
せいぜい、「証拠が残らない人間のバラし方」や、「核の製造法」をレクチャーするしかできない。
だが、どれも、奴らの方がずっと上手で、プロだ。
そうこう思いながらフラフラと歩いているうちに、やがて別の手がオレの手首を掴んだ。
それまで握っていたオンナの手とは違い、明らかに「肉感」があり、「現実的」な手だった。
「大丈夫ですか?」
その声は、はっきりと耳に届いた。
振り向くと、嫌になるくらい見慣れた格好をした男が立っていた。
警官だった。
「大丈夫ですか?」
また、その言葉が届いた。
辺りを見回すと、川っぺりだった。
その先、断片的にしか記憶がないが、いわゆる「トラ箱」で目覚めた。
どうやら、「入水自殺」を計ろうとしていたと思われたようだ。
たまたま通りかかった車のドライバーから、「おかしな奴がいる」との通報が入り、駆け付けたらしい。
確かにそれなりの借金はあるは、いい歳こいて未婚だは、最近になり飲み過ぎからかケツから血が出てくるようになったはなどいろいろ悩みはあるが、死のうと思ったことはない。
ただ、オンナに着いていっただけだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

富士山登頂

2019-07-07 11:08:28 | 日記
久しぶりに、静岡県は御殿場市に行った。
かつて住んでいた街だ。
諸事情によりほとんど「男はつらいよ」の寅さん並の生活をしているため、一か所に落ち着くことはほとんどないのだが、中でもオレにしてみれば「長期滞在」した街のひとつ。
…で、なにをしに行ったかといえば、ひとつは当時交流のあったおかまバーのオンナ(?)から久々に電話が来て、「会いたい」ということだったので行った。
言っておくが、「その手」(男色)の趣味はない。
近年、なんとかというカタカナ語(例により酔っているので言葉を思い出せない)でそうした人間を認めるような動きが拡がっているが…。

とりあえずその話はさておき、本来の目的であった「富士山登頂」のために行った。
御殿場に住んでいたころ、やはりやろうとしたが、諸事情により断念せざるを得なくなり、諦めた。
いわば、そのリベンジだ。
フル装備で行った。
ここ数日の地上の暑さ対策のため、なるべく軽装を心掛け、ネットで1000円で購入したジーンズと100円ショップで購入したTシャツ、ジーンズのリアポケットにスキットル(海外映画でよく観る、ウィスキーの入った小さい水稲みたいなやつ)を忍ばせ、いざ御殿場に向かった。
現地に着き、泣きたくなった。
「雨のため登山できない」ときた。
…なにをしにきたのか。
仕方がなくオカマに電話を入れた。
「ケイタイの誤打だった。今更あんたに用はない」
と来た。
どうやら、別の同色者を見つけ、送信していたようだ。
やけくそになり、駅でウィスキーを飲みながら途方に暮れていると、強烈な匂いとともに誰かが話しかけてきた。
当時交流のあったホームレスだった。
自慢じゃないが警官や、ほぼホームグラウンドであったやくざからホームレスまで、当時のオレの交際範囲は広かった。
(交友範囲の広さは、ほとんど(カラテカ入江みたいな話あるが…)

それとなく現状を話すと、そのホームレスが「うちで泊まれ」と来た。
さすがに断った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする