アニメ「夏目友人帳」第10話『アサギの琴』の感想です。
一部ネタばれを含みますので、まだアニメをご覧になってない方はご注意下さいませ。
突如、傘を持った妖怪が夏目の体をよこせ、と襲ってきます。
傘持ち妖怪・蛇の目(←夏目命名。本当の名は「アカガネ」)に事情を聴くと…
磯月の森の壬生神様の元に「アサギ」という名の美しい蒼琴(そうきん)弾きの乙女がいました。
しかし、アサギは体が砂のように崩れていく病にかかり、里に帰されてしまいました。
最後に壬生様の前で琴を弾かせてやりたい、だから夏目の体を貸せ、とアカガネは夏目の体を無理矢理奪おうとしますが、ニャンコ先生に撃退されて退散します。
次の日の朝、目が覚めた夏目の髪と瞳が一瞬青く見えます。
夜の間にアサギに憑依されていたのです。
友人たちの前でアサギがちらりと表層に出てきて、夏目がキラキラと乙女チックに輝きます。仰天し動揺する友人たち。
このキラキラは先週の名取に勝っていましたね! 名取が見たらさぞ悔しがるでしょう。
うわ~~、乙女な夏目、楽しみにしていたのですが…………
原作漫画ですとヒトコマのカットでただ可愛い♪としか思えなかったのですが、
アニメーションで見ると、ものすごーく不気味でした……。(←ごめん…夏目)
アサギに琴を弾かせるため、琴の材料集めから始めるアカガネと夏目。
夏目はふとアサギに尋ねます。
「(二人は)どういう関係なんだい? 付き合ってるとか?」
「うふふ…、まさか。蛇の目さんは傘持ちだったのです」
アカガネは、壬生様やその周りに集う美しい者たちが日に焼けぬよう、傘をさしかけたり世話をしたり、用心棒を務めるというお役目をしていたのです。
アサギにとっては、アカガネの秘かな想いは問題外だったようですね……。仕方ないですが、ちょっと可哀そう。
琴探しでびしょ濡れになって家に帰って来た夏目を、藤原塔子さんが優しく出迎えて、夏目の髪をタオルで拭いてあげる場面は心が温かくなるようでした。
ずっと一人っきりで孤独に過ごしてきた夏目ですが、大切に思える居場所ができて本当に良かったと思います。
ようやく琴が完成しました。
磯月の森へ帰ろうとするアカガネをアサギは引き止めて言います。
「かなうなら、もう一度だけでも弾きたいと思った。ずっとずっとあの方のためにだけ弾いてきた。
だから…もしもう一度弾くことがかなうなら、優しくて大切な友人のため、あなたのために弾きたいと思っていた。
アカガネ、聴いてくれますか?」
夏目の指と体を借りてアサギは蒼琴を奏でます。
「遠くで音楽が聞こえた。聞いたこともないような美しい音。
それでもその音は、僕の指から空気を揺らして……」
蒼い月の光に照らし出された森の中でアカガネのためだけに琴を奏でるアサギ。
夢のように美しい光景でした。
アサギは深い眠りにつきました。
琴を弾き終えたアサギは浄化してこの世から消えてしまうのではないかと心配でしたが、深い眠りについただけでほっとしました。
またいつか目覚めて病も治ると良いのですが…。
「残されていった琴を弾いてみたけれど、もうあんな美しい音は出なかった。
あの音は俺の指ではなく彼女の心が奏でたのだろう」
ラスト、風に吹かれて舞い落ちてきた一片の花弁が、夏目の部屋に残された琴の弦を一瞬揺らしました。
今回は前半のギャグのテンションが高めでしたが、
夏目が自分を取り巻く人たちを大切に想う気持ちが丁寧に描かれていたと思います。
「ニャンコ先生はずっと居たいと思える場所ってあったか」
「そんなもの私には一生必要ないさ」
「俺もね、先生。ずーっとそう思っていたんだけどなぁ…」
さて、来週は第11話『ニャンコ徒然帳』です。予告を見ますと楽しいお話のようです。わくわく!
*画像はベッツィーです。