発見は以外な形で訪れる
「ねえ、今日はどうする?」
と、休日朝の妻の問い
「ん~、どうしようか?」
「いつものように、日帰り湯?」妻
「寒いし、どうしようか?」
「私は別に湯に入りたくないな。」妻
「どうしたい?
したいようにするよ。」
「じゃあ、湯に行く途中で私をYタウンに下ろして、貴方は湯に行けば。」
「いいな、そうしようか。(買い物に付き合わされる事思えば
・・)
昼のうどんのタイムサービスに間に合うように迎えに行こう。」
ということになり、同乗の妻を開店前のYタウン入り口に下ろす。
「じゃあ、タイムに遅れないでよ。」妻
「わかった。」
返事もソコソコに車を日帰り湯に走らす
いつもの日帰り湯への道
国道を横切り、よく寄るスーパーを過ぎて、中学校前を通り、新幹線高架下を過ぎた右手に随分前から続くタコ焼き屋の
前の道辺りにある普通の草むらから覗く灰色の石に、ふと目が止まる。
何やらジ~ンとするものが体内を走った。
待てよ!
これ、過去の経験から吉き事のサイン
直ぐに、違反者を見つけたパトカー張りのUターンで、タコ焼屋のパーキングに停車する
車を降り、タコ焼屋の客らしきそぶりの演技で店頭を覗く。
今日に限って女性店員と目が合う。
注文を考えるふり
ここで演技の失敗は許されない
足は構わず店の先の石へと進む・・
「これか!」
ずっと探していたポイントに
石があった!
「やっと見つけてくれ
たんだね。」
石が言った
灰色の安山岩か、随分重そうな平たい三角形の標石だ
湯の華観音と同じ東経131度。
観音の真南
そして、多々良山(防府市)と同
じ北緯34度。
多々良山の真西
~の、南北交点に標石として
三角石はあった
懐かしい人に数年振りの再会を果たしたような感覚がした
恋人の手を初めて握るごとく
そっと石に触れてみる
想像と違って、冷やりと冬の感覚が手に伝わる
恋人同様の嬉しさが、 全身をぐるぐると巡る
「とうとう手に入れたんだ。」
心の中で呟く
気が付くと約束の時間が迫っている
ポケットからスマホを取り出し、5、6枚シャツターを切る
もう湯に浸かる時間はない
言い訳が一つ二つ頭を巡り始める
いい言い訳が浮かばない
とりあえずタコ焼き屋の前を
横切り車に戻る
うどん屋の前で待つ妻の顔が
頭に浮かぶ
妻はとにかく時間に厳しい
遅れる訳には絶対にいかない
妻の顔と、先ほどの石が交互に脳内をちらつく
なんとかタイムサービスに間に合うか
「ぎりぎりだね。」妻
うどん屋の前で妻は待っていた
「湯は行ったの?」妻
「入ったよ、気持ちよかった。」
と返してしまう
「いつもの肉うどんと若芽むすびでいい?」妻
「うん、それでいい。」
「私は、うどん定食にする。」妻
いつも通り雑談しながら、うどんを口に駆け込み帰路につく
たわいも無い会話をしつつ、石のことを考える
妻が、
「一人にしてあげるから、見つけて来なさい。」
と、考えたに違いない
今日だけでなく、妻に関しては過去に不思議な出来事を経験している(卑弥呼墓説・三柱古墳の血模様シーツの出現)
やはり妻は本当に卑弥呼なのかも知れない
どうしてもそう思えてくる
家の卑弥呼からの贈りものは
今日はあの三角石だったのだ
・・・
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