「今時、水道の水を飲む人はいないでしょう」と言った農水大臣がいました。確かに試薬を入れてピンクになる水が美味しいとは言えないかも知れません。でも料理やご飯を炊くとき、野菜を洗ったりするときには水道水を使っています。上水道を消毒する塩素の投入量は、下限はあっても上限の数値に規制値はありません。トイレやお風呂の汚れを手っ取り早く落とすには、塩素系洗剤を使います。でも絶対に他の洗剤と混ぜないで下さいと注意書きされています。体の中で、混ぜてはいけない成分と巡り合わないことを祈るしかありません。でもまだ上水道は自分である程度はコントロール出来ます。海に流す下水にも、塩素が投入されています。海には消毒してから流そうということですが、ある種の有機物と結合するとトリハロメタンという発ガン性を有する物質になると言われています。日本人が大好きな魚介類の食物連鎖で、人の体の中に入る可能性も否定出来ません。水道局や下水処理場の方たちも内心忸怩たる思いでいらっしゃると思います。その人達にも家族があり、次代の若い人達に綺麗な海を残してあげたいと思っているのは、私たち以上だと思います、きっと。まずいだの臭いだのと文句ばかり言われて、誉められることはめったにないのでは。例えば、堺の石津川の処理場では、日量6万トンの下水処理するためには、2千万円の設備費で大幅に塩素を減らすことが出来ます。道路に50何兆円も費やす前に、下水処理場をもっと充実して下さい、国交省様。(写真は残留塩素計測器)