紀伊半島の山間部は 昔からの街道が網の目のように入り組んでいる
いつもは 狭そうな道筋を避けていたが 今回は 敢えて秘境ルートに挑戦した
湯の峰から 湯の口 瀞峡 を抜けて 北山への道
予想通り 道は狭くなった
湯の口から瀞峡方向に曲がると 道は更に 車通りの少なそうな 山道になった
木漏れ日を楽しんでいる余裕もないほどの ワインディングロードが続く
瀞峡は土曜日というのに人影もなく 過去の栄光を懐かしむような観光地だった
船乗り場の案内に沿って 急な階段を下りる
石造りの階段は 歴史を物語っていた
階段の途中 景観の一等地に 今は営業をしていない 『 瀞ホテル 』 が佇んでいた
日本風の建物なのに 『 ホテル 』 と ネーミングした当時は ハイカラ やったんやろうな
翌朝を待って 撮影
静かな峡谷に 朝霧がたちこめ 今日が始まる
川霧を撮していたら 吊り橋が見えた
人家もないと思っていたが 渡る人があった 朝早くに何処に行くのだろう
人の暮らしは どんな所でも営まれているんだなぁ
風来坊も渡ってみたくて 吊り橋まで登ってみた
169号を辿る途中で 『 筏師の道 』 という標識を見たが
これぞ正しく 昔 筏を組んで瀞峡を下った筏師が 登り帰った道なんだろうな
「 ほー さっきのお母さんはよう渡ったなぁ 」 と思うほど
吊り橋は ドラマチックやったで よう揺れるわ
吊り橋から 瀞峡を見下ろした 朝の穏やかな光線状態は やっぱりいいな
瀞峡を後に 169号 『 筏師の道 』 を 北に進む
「 いい景色だなぁ こんなん好きやで 」 …… と 車を止めたところは
以前にも 撮影をした辺りだった
ここにも吊り橋があった この辺りは 車も通れない所に住んでいる人がまだ多いのかな
歩いて行き来するための道が大切にされ 残っている
北山と云えば 北山杉の名産地
針葉樹の林は 秋には風情がないと思っていたが 杉林もいいな
このような情緒溢れる土橋は 都会では見かけることが無くなったなぁ~
何気ない景色が心に浸みる 旅の感傷でしょうかね …… なんちゃって
と想いを巡らせている時 散歩中の親子が通りかかった
可愛いいなぁ~ 思わず 「 写真撮らせてください 」 と 声をかけていた
人物が入ると なんでもない景色が絵になるなぁ 「 ありがとう 」
この道はたまりませんな 撮影ポイントがようけあるので なかなか先に進まれへん
朝霧のたちこめた 『 きなりの里 』
霧の下には 桜の季節にも 紅葉の季節にも 車中泊をしたことのある公園がある
風来坊の安らぎの地が すっぽりと優しく包み込まれている
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