


学校に行けず住民票も抹消・・・存在不明の”消えた子ども”たち。私たち大人が出来ること
間もなく年末年始を迎える2015年を振り返ってみると、今年も児童虐待に関する事件が多数報道された。
衝撃的だったのは2015年2月。
川崎市の男子中学生が多摩川の河川敷で遺体で発見された事件。加害者は知り合いの18歳・17歳の少年たち。被害者の少年は事件前から登校しておらず、顔に痣などがあった。少年が登校しなくなってから担任教師は事件発生まで30回以上の母親への電話や家庭訪問にも5回行ったが、本人とは直接会えなかった。なぜ周囲は救えなかったのだろう。
2014年5月にもこんな事件があった。
神奈川県厚木市のアパートの一室で、男の子の白骨化した遺体が発見された。司法解剖の結果、当時5歳の男の子で、およそ8年前に衰弱死したと見られた。夫のDVによる理由で母親が家を出た後、父親が養育をしていたが、女性と交際を始めた父親が育児放棄。亡くなる2ヶ月ほど前から週1~2回しか帰宅せず、コンビニ弁当などしか与えられていなかった。
平成26年度の児童虐待相談数は88,931人。虐待死は69人にも及ぶ
このような決して忘れてはならない全国的な事件の他にも虐待死は年々増え続けている。
厚生労働省による平成26年度の児童虐待相談数は88,931人にもおよび、昨年の73,802名よりさらに急増している。驚愕なのは、虐待による死亡数が、平成25年4月1日から平成26年3月31日までの12ヶ月間で69人もいる注目すべき事実なのだ。
虐待死した子どもの事例を分析してみると、身体的虐待が21人、ネグレストが9人とトップを占めている。加害者は実母が16人と最も多く、死亡に至った動機は「保護を怠ったことによる死亡」が6人、次いで「しつけのつもり」「子どもの存在拒否・否定」「泣き止まないことにいらだった行為」がそれぞれ4人だったと報告されている。
69人の虐待死した子どもの数には、未遂を含む心中による虐待死33人が含まれている。加害者は実母が18人と最も多い。動機としては「夫婦間のトラブルなど」が最も多く、次いで「保護者自身の精神疾患など」が7人だった。
https://youtu.be/Z1Pm1nU2Vro