今ならクレーム殺到必至。かつてアメリカで販売されていた10のトンデモおもちゃのテレビCM
安全基準や倫理感とか、いろんな意味でゆるふんわりだった数十年前の時代には、今では考えられないものが子供用のおもちゃとして販売されていた。親御さんも当時はそこまで目くじら立てることもなく、ゆるふんわりと子供たちにこういったおもちゃを買い与えていたわけだが、その結果、様々な事故を引き起こしたのはいうまでもない。
ここでは、かつてアメリカで販売されていたトンデモおもちゃとそのテレビCMを見ていくことにしよう。
■ 1. 殺傷力の高い6本目の指
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SIXFINGER TOY BY TOPPER
指型の銃で、その名も「6本指」だ。この小さな銃から発射される先端が尖ったプラスチックの弾がかなりの威力を持っていて、当たるとすごく痛い。箱には「注意:人に向けて発射してはいけません」とは書いているが、そんな注意書きを守る子供は当時いなかった。この兵器が当時2ドル(240円)で売られていたと考えると本当に恐ろしい。
■ 2. 頭をガンガン振り回す「スウィング・ウィング」
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RETRO COMMERCIAL-Toys-Swing Wing
トランソグラム・カンパニーは1959年からティドリー・ウィンクスやドクター・キットといった有名な玩具を数多く世に繰り出してきたが、1965年、兄が脊柱指圧療法師だという当時の副社長が「スウィング・ウィング」という頭をガンガンぶんまわす玩具のアイデアを持ち込んできた。その後、首の骨を痛めたり、脊髄損傷を引き起こす事例が発生し市場から撤退した。
■ 3. スリップしすぎて事故多発「スリップン・スライド」
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1960's Slip n Slide and Water Wiggle commercial
Wham-O(ワム・オー)社が1961年に販売したスリップン・スライドは、プールが珍しくウォータースライダーなど存在しなかったこの時代に大人気となり数百万台を売り上げた。
水をまいたスロープを敷き、助走をつけてジャンプし、前のめりなってお腹で滑るものだが、その際に足の指を折ったり、滑りすぎて頭を打ったりする等の事故が多発。にもかかわらず当時の母親たちは「気を付けないとダメでしょ、あなたの責任よ」と企業への責任は問わなかった。
だが1990年代になり、脊髄損傷とそれに伴う事故死の認知度が上がるにつれ、注意書きがなされたものの、徐々に市場から撤退していった。
■ 4. 水圧を上げ過ぎると兵器と化す「ウォーター・ウィグル」
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Slip N Slide and Water Wiggle By Wham-O(再生後0:27から)
ホースの先端に顔のついた頭をつけたものだが、噴射される水の水圧を上げすぎてしまうとウォーター・ウィグルは兵器と化す。ウォーター・ウィグルはたちまち太くなり、あなたの身体にまとわりつき、蛇が獲物を仕留めるようにあなたを締め上げる事だろう。そして一番はその頭にあるプラスチックなのだが、これがかなりの重量なのだ。待ちがって顔に当たってしまえば、歯や鼻が折れるだけでは済まないだろう。
■ 5. 一個隊レベルの銃器セット「ジョニー・セブン・ワンマン・アーミー」
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1964 JOHNNY SEVEN OMA TOY GUN COMMERCIAL
1960年に発売されたジョニー・セブン・ワンマン・アーミーは1964年まで、アメリカのほとんどの男の子が所持している玩具だった。ジョニー・セブンはピストル、ロケットランチャー、貫通弾等がついてくる、まさしく「ワンマン」で軍隊を退ける程の装備を含んでいた。
ジョニー・セブンはおよそ1.8キログラムだったので、これを持って歩くだけでも子供達には良い筋肉トレーニングとなった事だろう。発売元のトッパー・トーイズ社はこの時代では画期的な発売戦略を思いついていた。当時、玩具は玩具屋で売られていたわけだが、ジョニー・セブンはスーパーマーケットでも売られる事になったのだ。これにより、母親の買い物が終わるのを待つ子供達の注目の的となったわけだ。
■ 6. クリーピー・クローラー
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Mattel Creepy Crawlers Thing-Maker (1964): Vintage Toys & Games for Christmas
1964年に発売されたクリーピー・クローラーは熱せられたホットプレートに有毒ガスを放出する液体を流し込み、虫などのどっきりなおもちゃを作り出すものだ。こんなものが安全である訳がない。
まずはプレートを摂氏150度で熱する。取り出したプレートに「プラスチック・グープ」と言う液体を流し込む。本来なら液体とプレートが冷めてから玩具を取り出し、それをいたずらに使うわけだが、子供たちに「待て!」は通じない。火傷や水膨れ等の事故が相次いだ。
当所使用されている液体は「無害である」と発表されていたが、その後PVC(ポリ塩化ビニル)や鉛製のペイントが危険である事が発表され、クリーピー・クローラーもそれ以来姿を消した。
■ 7. 威力絶大な空気銃、エア・ブラスター
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The Air Blaster by Wham-O
1965年にWham-O社が販売した空気銃、エア・ブラスターはすぐさま市場から撤退する事になった。エア・ブラスターを友達の耳の穴に発射する子供が増えて来たからである。耳にエア・ブラスターをぶち込まれると、聴覚障害という後遺症を残していく。また、子供達の大半はエア・ブラスターのノズル部分に適当な大きさの物体を詰める事で、その物体を思いっきり発射出来る事に気付いた。その為、あらゆる物を発射できる武器と化してしまったのだ。
■ 8. 自転車用ウイリー器具「ウイリー・バー」
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The Wheelie Bar by Wham-O
車やバイクのウイリーシーンに憧れた子供たちの為に開発された自転車用ウイリー補助器具だが、当然のことながら転倒事故続出だった。こちらもWham-O社が発売したもの。
■ 9. チューブに入ったプラスチック「スーパー・エラスティック・バブル」
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WHAM-O Super Elastic
これもWham-O社である。このチューブの中にはドロッとしたプラスチックのようなものが入っており、それを穴の開いた棒の先端に取り付け、そこに息を吹き込みボールを作る。この玩具の最大の問題点はその素材にある。素材の中には「酢酸エチル」が使われており、吹き込むのではなく、間違って吸ってしまった場合、健康上よろしくないのだ。
■ 10. ウィッチドクター・ヘッドシュリンカー・キット
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WITCH DR. HEAD SHRINKERS KI
1960年代後半に発売されたこの玩具に使用された素材は未だに判明していない。なんかの化学物質を型に流し込んで魔女の頭を作るもので、この化学物質は問題がありそうだ。何が使われているかわからないものほど怖いものはない。
ギルバートのU-238原子力研究室
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これがテレビのコマーシャルで紹介されていたかどうかは分からないが、1951年に発売された「ギルバートのU-238原子力研究室」はアルフレッド・カールトン・ギルバートが発明した玩具だ。
彼は当時マサチューセッツ工科大学の人々とのつながりが強く、この玩具もその繋がりがもとで作られた。当時のアメリカも「この玩具なら子供達も原子力に興味を抱いてくれるだろう」と発売を認可したというから驚きである。キットそのものは当時49ドル50セント、今で言うならば3万円近くする高価な物であった。
この玩具の中には検電器、ガイガーカウンター、ウイルソン霧箱、スピンサリスコープ、低レベル放射線源(ポロニウム210・鉛210・ルテニウム106、亜鉛65)、ウラン等と共にかわいいカタログが付いてきた。1970年代になってようやく、子供が放射線源を摂取する可能性が指摘され市場から撤退した。
via:mentalfloss・Translated riki7119
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