③ここが間違い、女性の攻め方
10月から改定、壊れるか?パート「130万の壁」
夫の年収1200万円でも教育費のためにパートで働く
ビースタイルに派遣登録をする大崎芽衣子さん(仮名、40歳)のライフスタイルを見ると、三原社長の言葉もうなずける。東京・大田区に一軒家を構え、5歳のひとり息子を育てながら「パート派遣」として事務職の仕事をする。時給1200円で週2、3回フルタイムで働き、月収は7、8万円ほど。IT企業で働く夫の年収は1200万円だ。
世帯収入は平均をはるかに上回り生活費に困るわけではないが、「将来子どもに教育費がかかることを考えると、家計のために働いておきたい」という。柔らかな白いブラウスに黒いパンツ。足元は黒のペディキュア。モノトーンのシックで都会的な装いから、豊かで余裕のある生活ぶりがうかがえる。
働くスタイルは、パートタイム型派遣。かつて派遣社員といえば、派遣先が若手を望むため、「35歳定年説」がささやかれていた。しかも原則はフルタイム勤務だった。ところが最近では人手不足から、派遣先は「経験豊富な40代、50代女性を積極的に採り始めた。アラフィフ女性にもチャンスが巡ってきている」と三原社長はいう。企業の正社員に短時間勤務が広がるなか、パートタイムとして派遣を受け入れることへの抵抗感が薄れてきたことも、アラフォーからアラフィフ女性にまで「パート派遣」が広がっている一つの要因だ。
芽衣子さんは、その流れにうまく乗ったといえる。新潟の高校を卒業後、東京の短大を卒業。正社員を経てカナダに語学留学をして、帰国後は派遣社員として働いていた。出産を機に退職し、4年ほど子育てに専念した後、「社会に出たくなった」こともあり、パート派遣として復帰したという。以前は、得意の英語を使いながらフルタイムの派遣として貿易事務の仕事をバリバリこなしていたので、いまパートとして担う事務の仕事に少し物足りなさも感じている。責任が限られていることを「寂しく思うこともある」と明かす。
しかし家庭第一で、家事育児を芽衣子さんが担うのは、夫婦で合意するところ。英語教室2か所、水泳、学研と息子をお稽古事に送り迎えすることを考えると、フルタイムの勤務はできないという。幼児向けプログラミング教室も気になるし、将来は留学もさせてあげたいとなると教育費がかかる。少しでも家計の足しになればというのがパートを続ける理由だ。無理なく両立できる日数に絞ると、どうしても週2日か3日しか働けない。結果として「扶養枠」である年収100万円ほどに収まるという。
先のビースタイルの調査に当てはめるなら、冒頭の吉田さんは「扶養枠をいずれは超えて働きたい積極派」であり、芽衣子さんは「無理なく扶養枠内のそこそこ派」といえるかもしれない。芽衣子さんのような高収入世帯であれば、専業主婦であれパートであり、ワークスタイルの選択は可能だ。そうした豊かな世帯の主婦であっても、いったん職場でやりがいを感じたことがある女性なら「社会に出たい」という気持ちを持っても不思議ではない。
またお稽古ごとや塾などの学校外教育が過熱するなか、高収入世帯であっても教育費の負担にあえいでいる。夫が高収入であっても、教育費のために妻が働かざるを得ない家庭が増えている。そうした家庭にとっては、パートタイム型派遣はひとつの有力な選択肢となりそうだ。
10月から改定、壊れるか?パート「130万の壁」
夫の年収1200万円でも教育費のためにパートで働く
ビースタイルに派遣登録をする大崎芽衣子さん(仮名、40歳)のライフスタイルを見ると、三原社長の言葉もうなずける。東京・大田区に一軒家を構え、5歳のひとり息子を育てながら「パート派遣」として事務職の仕事をする。時給1200円で週2、3回フルタイムで働き、月収は7、8万円ほど。IT企業で働く夫の年収は1200万円だ。
世帯収入は平均をはるかに上回り生活費に困るわけではないが、「将来子どもに教育費がかかることを考えると、家計のために働いておきたい」という。柔らかな白いブラウスに黒いパンツ。足元は黒のペディキュア。モノトーンのシックで都会的な装いから、豊かで余裕のある生活ぶりがうかがえる。
働くスタイルは、パートタイム型派遣。かつて派遣社員といえば、派遣先が若手を望むため、「35歳定年説」がささやかれていた。しかも原則はフルタイム勤務だった。ところが最近では人手不足から、派遣先は「経験豊富な40代、50代女性を積極的に採り始めた。アラフィフ女性にもチャンスが巡ってきている」と三原社長はいう。企業の正社員に短時間勤務が広がるなか、パートタイムとして派遣を受け入れることへの抵抗感が薄れてきたことも、アラフォーからアラフィフ女性にまで「パート派遣」が広がっている一つの要因だ。
芽衣子さんは、その流れにうまく乗ったといえる。新潟の高校を卒業後、東京の短大を卒業。正社員を経てカナダに語学留学をして、帰国後は派遣社員として働いていた。出産を機に退職し、4年ほど子育てに専念した後、「社会に出たくなった」こともあり、パート派遣として復帰したという。以前は、得意の英語を使いながらフルタイムの派遣として貿易事務の仕事をバリバリこなしていたので、いまパートとして担う事務の仕事に少し物足りなさも感じている。責任が限られていることを「寂しく思うこともある」と明かす。
しかし家庭第一で、家事育児を芽衣子さんが担うのは、夫婦で合意するところ。英語教室2か所、水泳、学研と息子をお稽古事に送り迎えすることを考えると、フルタイムの勤務はできないという。幼児向けプログラミング教室も気になるし、将来は留学もさせてあげたいとなると教育費がかかる。少しでも家計の足しになればというのがパートを続ける理由だ。無理なく両立できる日数に絞ると、どうしても週2日か3日しか働けない。結果として「扶養枠」である年収100万円ほどに収まるという。
先のビースタイルの調査に当てはめるなら、冒頭の吉田さんは「扶養枠をいずれは超えて働きたい積極派」であり、芽衣子さんは「無理なく扶養枠内のそこそこ派」といえるかもしれない。芽衣子さんのような高収入世帯であれば、専業主婦であれパートであり、ワークスタイルの選択は可能だ。そうした豊かな世帯の主婦であっても、いったん職場でやりがいを感じたことがある女性なら「社会に出たい」という気持ちを持っても不思議ではない。
またお稽古ごとや塾などの学校外教育が過熱するなか、高収入世帯であっても教育費の負担にあえいでいる。夫が高収入であっても、教育費のために妻が働かざるを得ない家庭が増えている。そうした家庭にとっては、パートタイム型派遣はひとつの有力な選択肢となりそうだ。