肺腺がんとは? 中村獅童が手術へ タバコ吸わなくても発症、専門家「人間ドックで早期発見を」
安藤健二 ハフポスト日本版ニュースエディター歌舞伎俳優の中村獅童さん(44、写真)が5月18日、初期の肺腺がんであることを直筆の書面で発表したことで、肺腺がんとはどんな病気なのか注目が集まっている。
書面によると中村さんのがんは、定期的に受けている人間ドックで判明したという。「奇跡的と言われるほどの早期発見」で、「この状況ですぐ手術すれば完治する」と担当医師の言葉を報告している。入院のため6月の「博多座大歌舞伎」と、7月の「歌舞伎座七月大歌舞伎」は出演を取りやめるという。
■タバコを吸わなくても肺線がんに
一般的に「肺がん」は喫煙者が発症するように思われがちだが、肺線がんに限ってはそうは言い切れない。医療機器会社オムロンの公式サイトによると、喫煙による肺がんの発症リスクは、タバコを喫わない人と比較して男性で4~5倍、女性で3倍程度と説明。ところが、肺腺がんに限っては男性で2~2.5倍、女性で1.5倍程度。「タバコを吸わなくても肺線がんになる」ケースが多いとして、警戒を呼びかけている。
■肺腺がんを早期発見する方法は?
ハフポスト日本版は、神奈川県病院機構・理事長の土屋了介さんに肺腺がんとはどのようなものか聞いた。
「肺腺がんは4つに分類される肺がんのうち最も一般的なタイプです。血液が酸素を取り込む肺胞にできるがんで、早期に発見して手術すれば完治する可能性が高いです。ただし、転移していないかどうか術後も5年間は経過観察を続けた方がいいでしょう」
その上で土屋さんは、一般人が気をつけるポイントを以下のように語った。
「発症早期では全く症状が出ないので、獅童さんのように人間ドックなどでないと発見できません。特に40代以上はがんの発症率が高いので、CTスキャンを2年ごとに受けるなどして注意した方がいいでしょう」