はじめのい~っぽ 60'S

今日生きてるのは奇跡!
鬼籍入りまでの軌跡!

詩 「友人」  茨木のり子

2013年10月30日 | 本・絵本・雑誌

友人に
多くを期待しなかったら
裏切られた! と叫ぶこともない
なくて もともと
一人か二人いたらば秀

十人もいたらたっぷりすぎるくらいである
たまに会って うっふっふっと笑いあえたら
それで法外の喜び
遠く住み 会ったこともないのに
ちかちか瞬きあう心の通い路なども在ったりする
ひんぴんと会って
くだらなさを曝けだせるのも悪くない
縛られるのは厭だが
縛るのは尚 厭だ
去らば 去れ

ランボウとヴェルレーヌの友情など
忌避すべき悪例だ
ゴッホとゴーギャンのもうとましい
明朝 意あらば 琴を抱いてきたれ
でゆきたいが
老若男女おしなべて女学生なみの友情で
へんな幻影にとりつかれている

昔の友も遠く去れば知らぬ昔と異ならず
四月すかんぽの花 人ちりぢりの眺め
とは
誰のうたであったか

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茨木のり子さんは、昨年友人から紹介していただいた詩人である

もう、なくなられているけれど
サバサバ すっきりした詩=そういう身のこなしや生活をなされているんだろうと思いました
私とのり子さんが友達なら お互い「寄りかからず」生きていけそうな気がします
寄りかからないけれど、力を借り合って生きていけると思います

「ハングル」を習い始めた少し後に「ハングルへの旅」を読んでこれからの学習が 身近になった気分になりました


明朝 意あらば琴を抱いて来たれ(明朝有意抱琴来)
⇒そうだ、気が向いたら明日の朝、琴を持ってもう一度きてくれ。今度は君の琴を聞きながらいっぱいやろうじゃないか ⇒李白「山中対酌」より



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