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「孤愁(こしゅう)」読みました。 新田次郎・藤原正彦著

2017年04月24日 | 本・絵本・雑誌
新田次郎にのめりんで第5弾は「孤愁」

先回読み終えたのは、新田次郎の御嬢さんの藤原咲子「父への恋文」。
「お父さんが大好き」「教えてもらったこと・笑いあったこと」父が娘を想う気持ちをしっかり受け止めていた作品


今回は新田次郎氏の絶筆となった「孤愁」を、長男正彦氏が父亡き後30余年の時間を費やして完成させたもので、新田ファミリーから産み出された作品に出会えました。

新田次郎著=美しい国⇒日露開戦まで
藤原正彦著=祖国愛⇒森羅万象まで

この物語の終末を、新田次郎氏が本当に書き終えたかったどうかは分かりませんが、モラエス氏という日本に実在した人物を、本の中で散歩に歩かせ、恋をさせ、失う痛みを味あわせている文章に、胸が焦がされるような気分になりました。

外交官として昨日までは心を開いていた関係でも、情勢の変化により今日からは一線を引く駆け引き・必然性のくだりも面白かった


孤愁(ポルトガル語で=サウダーテいう)とは、「別れた恋人を思うことも、死んだ人を想うことも、過去に訪れた景色を思い出すことも。懐かしく思い出すことの全て。甘く悲しい、せつない感情に浸りこみ、その中に生きようとしている」と解説しています。

初めて知った(当たり前だと思いますが)ことは、外交官という職業は、自国の利益をまず最大の課題として働いていること。そして友好国と調整取りながら、貿易・軍事・在留の本国人の利益と諜報活動を仕事としていることを知りました。

モラエス氏の優秀な能力により、沢山の出版物を残してくれたおかげで、新田次郎父子の力により「日本を逆輸入」して眺めることもできました


全体で727頁(私にとっては分厚い)を毎日20ページ~30ページと読み進めて、やっと読み切った感を味わっています。
いや~本って、素晴らしいですね。


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