高橋和巳というと今の若い人にとっては全然縁がないひとかもしれませんが、昔はかなり一般的に読まれていた小説家だったと思います。
某安売りチェーンに行くと並んでいるので、なんだかですが、でも流通しているのはいいことです。
ところで、高橋和巳というと全共闘世代のひとたちの教祖的な感じかもしれませんが、思うのは例えば邪宗門がつきつける新興宗教と国家の緊張感。某宗教団体と今の国の関係をみていると、つくづくそれは宗教じゃなくてやはりなにか別のものを目指していたのではないかという不純なものを感じます。こういった小説を読むことで、宗教というものについて考えて初めて解散云々について意見を言ってもらった方がいいんじゃないかという“コメンテーター”もいるような気がします。
他にもいろいろと、今の時代、背景を共有していないのですが逆になぜ共有しないのか、ということを考えると問題点が見えてくるところが多いような気がします。
そういった高橋和巳は今の時代全く当時とは別の文脈で読むことができる貴重な小説家だと思います。
どうでしょう。