毎日新聞 2024/6/22 東京朝刊
世界遺産・姫路城の天守までの経路は迷路のように複雑なことで知られる。現存する21門のうち、「はノ門」をくぐると天守に背を向け、いったんUターンしないと「にノ門」に着けない。「ほノ門」の後は、道が二つに分かれている
▲その姫路城への入城を巡る動きだ。城を管理する兵庫県姫路市は外国人観光客について、入場料の大幅値上げの検討を始めた。清元秀泰市長は「外国人30ドル、市民5ドル」との案にも言及した。現在の料金は18歳以上で1000円。外国人客は約3割を占める。料金30ドルの場合、円換算で4倍以上となる
▲市が二重価格の理由として挙げるのは、オーバーツーリズム対策だ。大勢の観光客が木造建築に入ることで維持・修繕費がかさむという。清元市長は「海外では常識だ」と説明する。それでも4倍超となると反応はさまざまだ。市外から来る国内観光客の料金をどうするかも難題だろう
▲外国人観光客といえば、割り増しどころか無料の施設も従来は珍しくなかった。奈良県立美術館は無料だった観覧料を4月に有料化した。訪日外国人客(インバウンド)が増え、優遇策も曲がり角を迎えている
▲コロナ禍を経て、昨年の訪日外国人客は約2500万人にまで回復した。政府は2030年に6000万人という目標を掲げる。昨年の2倍を上回る
▲国が観光立国へエンジンをふかす一方で、ひずみが生じている。地域との調和や文化財保護とどう両立させるか。容易には抜け出せぬ、オーバーツーリズムの迷路だ。
訪日外国人客(インバウンド)の増加とオーバーツーリズム(観光公害)の関係は難しいですね。昨年、訪日外国人客は約2500万人だったのを2030年に6000万人に増やすと、単純試算では2.5倍のゴミの放置で観光地が迷惑してしまうわけだ(笑)。
姫路城の入場料の「外国人は4倍払え」というのも一案には間違いないが、国は日本を知らない外国人への入国のマナー等についての教育か指針等の手立てはないものだろうか?6000万人を国内に呼び込むためには国のやるべき何かはあると思うのだが、違うだろうか。
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