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第一次世界大戦下のカリフォルニア州サーリナスで農場を営むアダムの2人の息子、優等生で父の寵愛(ちょうあい)を受けているアーロンと、落ちこぼれで愛に飢えている弟キャルの家族と青春の確執を描いた、名匠エリア・カザン監督の名作中の名作。
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(キャルは悲痛に泣き、父親にもたれた)
伝説の青春スター、ジェームズ・ディーンの初主演作だが、ここで見せるナイーヴかつ激しい演技からかもし出される魅力は、他の誰にも真似できないものである。走る汽車の屋根で彼が震えながらうずくまるシーンや、キャメラを斜めに据えて彼の屈折した心理を表現するなど、インパクトの強い名ショットの連続である。レナード・ローゼンマン作曲の主題曲も、日本でもおよそ3年間ヒットチャートをにぎわすほどの大ヒットとなった。原作は、カインとアベルの聖書をもとにしたスタインベックの同名大河小説。(的田也寸志Amazon.co.jp)
BS2で「エデンの東」を見終わって、映画評論家・水野晴郎の「いやあ、映画って本当にいいものですね・・・。」って言葉そのものに接した感じがした。キャル(ジェームズ・ディーン)が、幼い時に自分達を捨てた母親に会いに行くために貨物列車の屋根に飛び乗って無賃乗車するシーン、一面のレタス畑と貨物車とその向こうにひろがる空と雲に山などなど絵のような場面が繰り返しでてくる。
最後に、暴れん坊で、反抗的な性格に手を焼いていたキャルに、脳卒中で倒れた父アダムが、ベッドの上で、キャルに「あの看護婦は気に入らん。お前に看護して欲しいって・・・」とかすかな声で伝える、キャルが初めて父との愛情を交わす場面は誰でも涙を流すのではないだろうか。
キャルが、氷室の中で愛をささやく兄とガールフレンドを密かに見て倉庫の氷塊を突然外にどんどん放り出したり、優等生で父の寵愛を受けている兄アーロンを、死んだと聞かされていた母親に引き合わせて、母親の上に乱暴に押し倒したりする狂暴な様は、「野獣死すべし」の松田優作を思い出したが、松田がジェームス・ディーンを観て学んだだろうか。
ジェームズ・ディーン(キャル)のニヒルな外面と、父親への愛情の内面表現の対比演技がすばらしい。エデンの東のBGMも今日は格別だった。
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