小父さんから

ミーハー小父さんの落書き帳

余録 / 年の瀬、自宅マンションの自治会が… / 毎日新聞

2025年01月04日 | オピニオン
高層マンションが林立する都心部。防災対策の強化は喫緊の課題だ=東京都港区で2022年3月4日、武市公孝撮影

毎日新聞 2025/1/3 東京朝刊

 年の瀬、自宅マンションの自治会が開いた餅つき大会に参加した。子どもの頃に祖父の家で見たことがあるだけで、きねを持つことすら初めてだ。ついた後は体の節々が痛くなった

 ▲30年以上前から続く年末恒例の親睦行事だが、ガスバーナーなどの火器を使うことで、災害時の非常用品を点検する役割も担う。近所とのつながりが希薄になっているご時世に、住民同士が顔見知りになる機会を提供する場でもある

 ▲発災時に東京都内では約4700カ所の避難所が開設されるが、収容できるのは約320万人。人口の2割強に過ぎない。都は耐震基準を満たしたマンションも避難拠点として位置付けている。都内の住居の約7割は共同住宅で、約900万人が居住する

 ▲建物が頑強でも、停電でエレベーターが止まったり、水洗トイレが使えなかったりすれば、困難な生活を強いられることに変わりはない。炊き出しや備蓄、障害がある人など災害弱者の支援には、隣近所との助け合いが不可欠だ

 ▲とりわけ築年数がたったマンションや団地には高齢者が多い。共助の考え方を共有できるか が問われる。災害に見舞われないとしても、建て替えや売却が現実的な課題となってきた。住民同士のつながりを欠いた状態では物事は進まない

 ▲かつては自宅周辺のマンションの多くで行われていた餅つきも、高齢化で減ったという。ご近所付き合いは少し面倒かもしれないが、緊急時にこそ発揮されるコミュニティーの力に思いを致した伝統行事である。



 私も15年程前に小田急線で新宿駅の到着する直前に家屋の密集地帯を目にした時、これはもし、首都直下地震などが発生したら市民が避難する場所なんて絶対に足りないと直感したものだが、そのような記事に初めて出会った。写真の都心の超高層マンションはとても人気があり中国の富裕層まで買い占めにくるそうだが、電気、ガス、水道が止まった時のことなど頭にないのかな?とよく想うことだ。

 少し前の総理大臣が「自助・共助・公助」という文言を売りに使っていたが、発災時には隣近所との助け合いが働かなければ人命すら危なくなってくるだろうね。フレイル予防(健康と要介護の間の虚弱な状態)のための3つのポイントは「栄養」「運動」「社会参加」と言われるが、近所付き合いがゼロだったら困ってしまうよね。

 高齢者大学で救急隊の方が講義されていたが、私の住んでいる海から離れた丘を開発した住宅街は、「大災害が起きたら救急隊員が駆けつけてくれるだろうと思ったら大間違いで、この地域は一番後回しにになりますよ。スーパーへの食材も入らないでしょう」と言った言葉が記憶に残っている。



ボランティアと一緒に餅つきを楽しむ子ども=石川県珠洲市で2024年12月22日、青山郁子撮影
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