潮風の囁き

日常での流れにおいて思うこと・感じたこと。
短文でも伝わる自分の閃きをブログにて…

馬上の強運少年

2013-05-08 23:50:20 | 日記
平治元年(1159年)

「平治の乱」の合戦において、平清盛に敗れた源義朝は再起を図り、子供たちと共に東国に落ち延びようとしていた。


義朝の三男の頼朝は13歳での初陣で晴れ舞台を飾るはずであった。
この時、源氏軍が勝利していたならば…の話だが。



敗戦後、
京都から関東を目指して駆け走る義朝親子に、平氏による落武者狩りの討手が迫る。


雪が降りしきる中、ついつい頼朝は馬上で居眠りをしてしまい、父とはぐれてしまった。

既に元服を済ませたとはいえ、まだ少年だった彼は激戦に参加したことによって疲れ切っていたのだろう。



しかし…
それからずいぶん後に征夷大将軍→鎌倉幕府を開くことになる源頼朝は、この時点から自らの強運ぶりを示すのである。


先を進み、途中で家臣の宿に泊まっていた父の義朝は、その家来の謀叛によって入浴中に殺されてしまったのだ。

が……
居眠りをしながら雪の中をさまよっていた頼朝少年は、やがて平氏に捉えられて尋問後、奇跡的に命を救われることになる。

もし居眠りをせず父と同行していたなら一緒に斬られていたに違いない。


源頼朝は、その33年後に幕府を開くまでの間に三度命拾いをして、逆に平氏を討滅させている。



史実の一つ一つを探っていてもキリがないが、彼がいなければ鎌倉時代も存在せず歴史は大きく変わっていたのは間違いない。

後の足利尊氏にしても徳川家康にしても、彼の影響を受けて一時代を築いたのだ。


つまり重要人物が居なかったら、恐らくは我々も生まれてなかった可能性が高いということ。

歴史上の事実があるから、今の現実に繋がっているということを忘れてはいけない。