たそがれのスカイツリー

思いつくままに好きなことを書いてみたいと思います。

物語(19)

2015-01-09 22:11:16 | 物語
「ストーカーと言っても誰か分からないと対処のしようがない。まず正体を探るところから始めるか。」
「賛成だ。でも探ると言ってもずっとついているわけにはいかないから探る工夫が必要だな。僕が作戦を考えるよ。2~3日後にもう一度集まろう。」
僕たちは、なんとなく人を助ける正義のヒーローになった気分と、仲良し三人組の仲間意識と、ちょっとしたスリルに満たされていい気分になっていった。そしていつものどうでも良い情報交換と、軽口の応酬、噂話、自慢話を一通りやったあとで解散となった。
 僕はストーカーを炙り出す方法を考えていた。春ちゃんの後をずっとついていても、いつどこで現れるか分からない相手を見つけることは不可能だ。まず相手に行動させて、そこから出てくる手がかりを掴むことだ。僕は、ストーカー捕獲作戦を3つのステップに分けることにした。第一ステップは、春ちゃんを遠巻きにしておいて周りの写真を取りまくり、ストーカーが行動を起こした時、たとえば写真などが送られてきた時、背景やアングルから場所を特定し、そのあたりの写真からストーカーを見つけるというものだ。確率を上げるために、春ちゃんには1か月程度同じところ、大学以外では、スーパーと本屋と服飾品店の3つに主に行くようにした。そしてそれらの店を重点的に僕たちで見張り、写真を取ることにしたのだ。そして候補者が出てくると第二ステップに入る。このステップでは候補者たちの素性を調べ上げる。そしてストーカーを尾行して怪しい人間を絞る。そして第三ステップでは絞った候補者と直接対決する。これで見つかるはずだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿