たそがれのスカイツリー

思いつくままに好きなことを書いてみたいと思います。

物語(11)

2014-12-23 23:04:03 | 物語
 僕と長谷は同じ部屋で寝ることになった。疲れていたのですぐに布団に入った。僕は寝ようとしたのだけど、由美の言葉を思い出して考え始めてしまった。由美は長谷の事をナルシストだと言っていたな。だけどどうしてそういう風に感じたんだろう。女が男をナルシストと感じるのはアプローチした時に相手にしてもらえなかった時ではないだろうか?エー、じゃ由美は長谷がすきなんだろうか?そんなはずはない。由美を虐めから救ったのは僕なんだから。でも長谷は男らしくてカッコいいからあり得る。そんなことが頭をグルグル回り始めて寝るどころではなくなってきた。みなさん、僕を女々しいと思わないでください。こんなになったのは初めてなんだから。隣からは寝息が聞こえてきた。僕は、電気をつけた。「12時だけど起床。」僕は長谷を起こした。
「なんなんだよ、外はまだ暗いじゃないか」長谷が寝ぼけ気味に言った。
「当たり前だ。12時だからね」
「相変わらずクレージーだな」
長谷は笑い出した。こんな無茶苦茶なことをやっても笑ってくれるところが長谷の良いところだ。
「ちょっと話をしようよ」
「いいけどいったいなんの話をするつもり」
「今日さー、由美がお前のことをナルシストだと言ってたんだけど、なんかそんな風に思われるこあとがあったの?」
「俺がナルシスト、ありえない。ゆうみの前以外では、俺が常に女に対して飢餓状態であるという顔をして歩いていた頃からずっと女好きなのは知っているだろう。そういえばお前も一緒だったなあ」
「そんなことない、お前だけだろ。いやそれはそれとして、由美はお前がモテるけど一人に絞れないのはナルシストだからといってたぞ」
「ナルシストねー、一つ思い当たるのは、ゆうみが俺に会わせたい女の子がいるって言ってきたことがあったんだ。だけどそんな一人に絞って付き合うことなんか嫌だったんで断ったことがあるんだ。その時ゆうみが、あんな男ダメだって断っとくけど、マザコンとナルシストのどっちがいい?って、どっちがいいって、何がと聞くと、あったま悪い。理由よ、だって。だから、ナルシストと言ったんだ、きっとそのことだな」
なんとなくすっとしてきた。僕はそんなに女々しくないんだ。男らしい方なんだ。それからどうでもいいことをしばらく喋って眠りについた。


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