妻へ。

おはようございます。

7/27四連休明けの朝でございます。

今日は、午前は、芝浦に向かう予定です。

芝浦の皆さん。後程。

 

しかし、さすがに四日間も休むと、出勤が憂鬱ですな。

気を引き締めていかないと……。

 

夏の感覚がない……、こんな感覚は生まれて初めてかもしれない。

 

四季のある国でずっと暮らしてきて、こんなに四季を感じないのは、初めてかもしれない。

 

結局、四季は人間が行事によって、キープしているのかもしれないな。

四季があって行事がある、のではなく、

行事を決めることで、四季を分別する。

 

今年は海に行ける気もしないし、山に行ける気もしないし、盆踊りも花火大会もない。

どうやって夏を感じればいいのかな。

晴れた日が、ただの暑い日に成り下がってしまった。

あ！奴らがいた！！

セミ！

 

もう鳴いてるよね、セミ。いやー助かった。君らがいないと、もう今年は夏が来ないのかと思ったよ。

 

昨日、妻が突然、「ギターを教えて」と言ってきた。

前から、教える、教える、と言いながら、『教える教える詐欺』になっていたので、

今回は教えようと、息子のギタレレを借りて、まずは、リズムから教えた。

 

わかってる。　疲れて、心配で、不安でたまらないんでしょ。

お父さんの事も、お父さんが亡くなったとしたらその後の事も、ここ数か月、本当に嫌なことばかり考えなきゃならなくて、大変だもんね。

よくやってくれていると思うよ。フォートナイトばっかりやってるけど、息子もそう思ってる。

寧ろそうやって、不穏な空気を奴なりにかわしているのかもしれないよ。

あの子は繊細だから、きっとそんな雰囲気も察してる。

 

もともと気遣いな奴だからね。わがまま言いながら、聞いてないフリをしながら、ちゃんと聞いてて、

ちゃんと覚えてて、ちゃんと反省しているよ。心配ない。

 

お父さんの認知症のあまりにも急速な進行は、私も驚いたよ。

一か月前、病院の送迎をした時は、

ありがとう、と言ってくれたお父さんが、今は、あなたの事もうろ覚えになってるなんて、

にわかには信じられないよな……。手術も出来なくて、症状の改善も見込めない。

　いったい、どんな来年になるのか。楽しくなる条件は、いくつあるのか。

 

最近、頭がボッとするから、若年性認知症の予防に、なんて半分冗談めかして言ってるけど、疲れてるからだと思うよ。

もし気になるならついでに私も一緒に調べにいこうか。

きっとあとからあとから、眠ろうとするたびにその眠り際に、

そんな心配がヒタヒタと意地悪く忍び寄ってくるんでしょう。

あなたは、認知症って、本当に残酷だね。　と、言って泣いたけど、

もし、ギターでその心配や不安が少しでも和らぐなら、わたしはなんぼでも、私の知る限り

ギターを教え続けるから、安心して。そのために生きながらえて見せるから。

なに、あと三十年ぐらいかかる。

そんなテクニックだってあるぞ。まだ持ってるぞ！

 

どうせなら、上手くなりたいよね。かろうじて弾ける、わけもわからず、この曲の、この部分だけ

弾ける、よりも、曲を聴いて、コードが何通りも取れて、それに合わせてアドリブでフレーズが載せられる。

 

そして、最終的には、スティーヴ・ヴァイぐらいは、弾けるようになりたいよね。

 

ギターの向こう側にはね、ギターが弾ける世界があって、ギターが弾ける地球があって、

ギターが弾ける宇宙が広がってるんだよ。

まるで、パラレルワールドだよ。

 

私はその世界に住んでる。

あなたはあなたでまた、別の世界に住んでるけど、

全然不自由ないでしょ？

お父さんがもし、思ったよりも早く亡くなっても、

お父さんがいない、パラレルワールドに引っ越すだけだから、

お父さんが完全にいなくなるわけじゃない。そう考えよう。

 

そして何よりも、

我々が酷く落ち込まずに、そんな事で心を壊さないように注意して、

最愛の息子との未来へ楽しく生きていける、そんなワールドを、キープしよう。

 

なに、楽しきゃいいんだよ。とどのつまり、そういう事だ。ジョンライドンの言葉を借りると……。

 

世の中何にも変わんねーよ！

という事だよ。変わらない。我々が変わらなければね。

今、たくさんの不安があっても、幸せだと思う。これをキープしよう。

 

じゃあ、今日も安全安心で、あ、暇ならちゃんと、教えたフレーズ練習しときなさい。暇じゃないと思うけど。

そして、怪我も病気もなく、必ず帰ってくるからさ、なんか作って待っててな。

 

じゃあ、息子をよろしく、あいつは寝転がってテレビを観るのが一番いけない！たまにはビシッと叱るか？

 

もう時間がありません。五時半には出ないと。

では、お仕事の皆さん、行ってらっしゃい！御安全に！！