<「青魚の魚油は健康にいい」は迷信です。療養中の方へ・・脂の乗った「青魚」は危険>
魚大好きの57歳女性ですが・・右鎖骨下動脈のプラークが2.6mmから、約2年半もプラークがほとんど改善しなかったのです。・・・しかし・・大好きな魚を「青魚」から白身魚主体に変更した途端・・・4ヶ月で・・2.53→ 2.30mm へ突然改善しました。例えば、アンコウ鍋を週に3回、その他の魚も脂が少ない白身魚にしたそうです。この方の夫も、それまで改善しなかった大動脈のプラークが:2.91→ 2.75mmへ突然改善しました。 他にも、脂の乗った青魚を食べてプラークが悪化した人、そして白身魚に変更してプラークが改善した方を多数経験しました。
(備考;アンコウの肉の脂は100g中0.2gと少なく、鳥のササミ(0.8g)よりも脂が少ない)
脳梗塞後・心筋梗塞後・認知症傾向などの療養中の方は、くれぐれも100g中の脂質の量が4.0g以下の魚介類・鶏肉・ブタ赤身など、脂質がより少ない食材にしましょう。
週に1回位しか食べない食材(魚や肉)なら、100g当たりの脂質量が6.0g以下をチョイスしましょう。魚や肉は1日250g以上摂取してもOKです。くれぐれもタンパク質不足にならない様に。昔も現在も・・1日の日本人のタンパク質摂取量は・・平均で70g程度です(例えば100gの鳥のモモ肉にタンパク質は19g程度です・・・意識しないとタンパク質不足の食生活になります・・血液検査のアルブミ値が低下し・・筋力が痩せてきます。
なぜなら、鮭は4.1(シロサケ)4.5(ベニザケ)~13g(ギンザケ)とピンキリですが、鮭を頻繁に食べていた人のプラークは悪化しました。特に鮭では皮の直下に脂が多いので、その部を残すことも考えましょう。
鮭とサバを好んで食べた人もプラークが悪化しました。青魚ならカタクチイワシ(12g), サバ(12g)ではなく、キビナゴ(1.4g)以下の小魚やトビウオ(0.7g)などがお勧めです(前述)。
以前の私は・・・「酸化していない魚の脂は問題なく、刺身ならプラークにならない」と1年近く前まで誤った考えを抱いていましたが・・完全な誤りでした。」・・(・・魚を獲って食べない約束を在来の村人にした平家の落人の村人は、その約束を守り続けて長命村となり・・一方で・大きな青魚を頻繁に食べる村は短命村)・・・この不思議に思える近藤正二博士の疫学調査は正しかったのです。・・
2月1日にも記載しましたが、魚はできるだけ脂が乗っていない魚を選ぶべきです。健康のために、しいて魚を・・特に青魚を食べる必要はありません。
EPA製剤を病院からいただいている方は、サプリでEPA・DHAを追加して服用する必要はありません。
先にも述べましたが、「魚油」が健康にいいわけではありません。ただし、病院からのエパデールSなど:EPA製剤は、「魚油」からEPA・DHAなどを特別に98%以上の純度で、コストをかけて抽出して薬品に仕上げています。ですから、病院薬のEPAでプラークが悪化することはありません。
頸動脈などにプラークが堆積していて、血液サラサラ薬が必要な場合は、サプリのEPAではなく、病院薬のEPAを服用すべきです。かかりつけ医などにご相談ください。その際は、くれぐれもスタチン剤は不要ですので・・担当医にスタチン剤なしでの治療の希望を伝えましょう。
いままでの動脈硬化と食に関する常識は・・エコーという「科学の目」でプラーク見えない・・そういった過去の時代に築かれてきた常識ですので・・検証されるべきです。
余談ですが、トビウオは飛んでエネルギーを使うから脂が少ないのでしょうか・・カワハギの脂が少ないのは口が小さいからでしょうか・・でも、アンコウの口は大きいのに脂が少ない・・イカはなぜ脂質は少ないのに、コレステロールは多いのでしょうか? それは、イカ・タコの祖先が貝類だからです。
では、ブタや牛や鳥や人間の祖先は何でしょう???・・・それは脊椎動物である魚です。・・つまり、魚の油も牛やブタ・鳥の脂や油も・・進化学という科学的な発想で考えると・・大きな差は基本的に存在しない・・とも言えます。その証拠に余った脂は、人でも、魚でも、豚でも、牛でも・・ハラミとしてお腹に脂が溜まります。背中に脂肪がたまる人間はほとんどいません。・・・鳥は飛べなくなるので必要以上にエサを食べません。魚の脂・油だけ特別に健康にいい訳がないのです。
2016年3月28日---追記
<「ドブ川」「ドブ溝」 清掃作業したことありますか!?>
現代の日本人・・・その血管エコー像を毎日見ていると・・誠に失礼な話ですが・・内心・・・、頸動脈やその他の動脈が「どぶ川」に見える・・・ことがしばしばです。
その「どぶ川」清掃作業ですが・・・ドブ(プラーク)が見えない場合は・・やり方が様々です。
1) 「毎日餃子を食べればやせられる」を信じる人は、この「どぶ川」が全く見えないために,土手の草むしりをしながら、「どぶ川」に草を毎日投げ捨てている感じ・・。
2) 糖質制限ダイエットでの「好きなだけ、肉やアルコールを摂取してもやせられる」を信じる人は、「どぶ川」の土手に積もった余分な土砂を「どぶ川」に捨てている感じ・・・土手はスッキリでも・・目に見えない川底には汚泥がたまり続けます。
3) 「亜麻仁油やオリーブ油・エゴマ油・ココナッツオイル・米油などを健康のために摂取しましょう」・・・を信じる人は・・「どぶ川」の・・ドブ水を少しサラサラにするだけで満足し・・ドブ浚えをしないまま帰る人・・・でも・・使った油は・・ドブに変身し、ドブは益々増えるのです。
4) 「血管が強くなる・・健康法」を信じる人は・・「どぶ川」の護岸作業専門です。なんで・・そっちだけやるの~、こっちを先に手伝ってョ~・・・と、言いたくなります。
「どぶ川」清掃作業なら、「どぶ川」のドブ浚(さら)え・・こそが、最優先の基本的作業ではないでしょうか。どぶ川の土砂や汚泥は・・血管のプラークと同じなのです。
川岸や川底に溜まった汚泥や砂を取り除けば、水質はそのままでも流れは奇跡的に良くなり、下流の作物は青々と育つことでしょう。動脈硬化の全ての症状が根本的に改善されます。
でも、この「どぶ川」の・・・清掃作業マニュアルは・・一言では言い表せません。そのマニュアルは、今日膨大な量になり、現在もバージョンアップ中です。
くれぐれも、これが「RAP食」の最終バージョンアップとは考えないで下さい。
「食とプラークとの事実関係の経験」を踏まえて、修正・追加しますのでフォローして下さい。
2016年5月18日---追記
<肉や魚の酸化がプラーク堆積に及ぼす影響は少ない>
前にも述べましたが、魚を食べず、鶏肉だけを調理して食べた方が・・魚を時々食べる人々よりも、はるかにプラークが減っていました。つまり、魚や肉の脂質含有量が少なければ、調理法は何でも構わない(生でも焼いても煮ても)ということが判明しました。青魚を刺身で多く摂取する方々が、プラークが改善せず、むしろプラークは悪化する事実とも一致します。
<肉が健康に悪い・・・・これは迷信です>
私の書籍で、アンケート結果から「肉が悪い!」とザックリと表現しておきながら、誠に申し訳ありませんが、真実は「肉の脂成分のみ」が問題であることが判明しました。植物油やその添加食品、乳製品やその加工品などからの脂質の摂取を控え・・・必要な“脂質”は、・「穀物・野菜・脂質の少ない肉や魚介類」(生でなくとも加熱調理もOK)から摂取しましょう・・
つまり・・単純な脂質制限ではないのです。 例えば、豆乳ヨーグルトの脂質量は見ないようにしましょう。穀物や野菜の発酵食品や植物油を添加していない加工食品(豆腐など)の脂質量も見る必要はありません。脂質が特に多いアボガドは控えて、ナッツ類など週に2~3個程度に止めましょう。
<刺身なら魚を多食してもいい・・・これは迷信です>
多くの経験から、脂の乗った魚の刺身を週に2回食べると・・プラークは改善しません。週に3回食べると・・プラークが悪化するようです。この魚食の影響は、魚を焼いても、煮ても同様でした。魚介類の刺身を沢山食べたいなら、100g当たりの脂質量が1.5g以下の魚介類にしましょう。以前の私の書籍「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」では、単純に青魚を勧めていましたが、・・これは誤りです。魚なら岸壁で釣れるような脂の少ない小魚を勧めるべきでした。訂正致します
<動脈プラークを減らしたい方・・・の、魚・肉の食べ方・・大まかな目安>
100g当たりの脂質量が2.0g以下の肉や、魚を調理しましょう。ただし、3.5gのアジ類を週に1回程度なら問題ありません。マダイは白身ですが・・天然で6g、養殖なら11g程度ありますので、1ヶ月に1度以下が適当です。輸入牛のヒレ肉は4.8g、鳥のモモ肉(皮なし)は3.9gですから、いずれかを2週間~1ヶ月に1度程度ならOKでしょう。
「プラークが現状維持でもいい人」は、上記の頻度、または量を2倍でもいいでしょう。
豚のヒレ肉(1.9g)や鶏のムネ肉(1.5g)は、魚のアジ(3.5g)より脂が少ないのです。
オーストラリア産牛のヒレ肉(4.8g)は・・・近海物のサバ(12.1g)、大西洋産の塩鯖(26.8g)、サンマ(24.6g)、ブリ(17.6g)、ハマチ(18g)よりも遙かにプラークに優しいのです。
大いに脂の少ない肉を活用しましょう。
脂質量はGoogle 検索や書籍で確認できます。
<肉の脂も、魚の油・脂も全く同列に考えるべきです>
肉でも魚でも、脂質の絶対量が少なければ・・焼いても、煮ても、生でも・・プラークの溜まり方に大差ないことが判りました。・・・料理の幅が広がると思いますが・・・。
例えばマグロのトロの1切れは、霜降り肉の1切れと同程度のプラーク堆積への影響力があるとお考えください。ブリやハマチやシメサバやサンマも同様とお考えください。・・「魚の油が健康にいい」「Ox△油が健康にいい」といったテレビなどでよく出てくる・・ザックリとした話は・・・過去の迷信です。決して鵜呑みにしてはいけません。
魚油の評価に時間がかかったのは、プラークを悪化させる要因を一つ一つピックアップしていって、最後に残ったのが“健康にいい”・・と、私も信じていた魚油でした。その多食による悪化・・さらに、控えることでのプラーク改善・・ここまでの確認作業になんと8年の歳月が必要でした。時間がかかり過ぎて申し訳ありません。(2018年12月17日追記:事実は小説よりも奇なり・・この時点でも「納豆」「豆乳ヨーグルト」などの植物性の発酵食品は“健康にいい”と信じていました。
しかし、その脂質でさえも、その過食・多食・頻回食がプラークを肥厚させる(動脈硬化を進行させる)犯人だとは・・2016年5月の時点で・・夢にも思っていませんでした。・・・医学の知識は持っていましたが・・愚かですねー・・・実例での検証が不十分なまま・・信じきっていました。大豆の脂(油)も、アボガドの脂(油)も、オリーブの油も、牛の脂も、魚の脂も・・血管内の脂肪滴を含んだ高水圧血流による・・物理現象の前には・・全て・・分子レベルで同列に考えるべきです。)
2016年6月6日-追記
<オリーブ油の日常的使用は・・健康に・・・やっぱり危険です>
最近、5年ぶりに受診した74歳の男性は、食生活に変わりはないのですが・・・3年前~オリーブ油を毎日「小さじ」でそのまま頂き、その上に毎日調理に使用していたそうですが・・頸動脈プラークが1mm以下から2.95mm へと急速に肥厚していました。オリーブ油に限らず、亜麻仁油・エゴマ油・ココナッツオイルなどの全ての植物油を日常的に、生でも・・調理して摂取しても・・・極めて危険です。
人工衛星でリアルタイムに雨雲をみていれば、雨に濡れることはありません。
同様に、リアルタイムに全身の血管プラークを見ていれば・・血管病で急に倒れることも・・家族に大きな苦労を負わせる事もないのです。
血管が平均的な汚れでも・・特にテレビなどの影響で・・知らないうちに“現代の誤った健康知識“を信じて実行し・・・血管プラークが悪化する食品を摂取している可能性があります。2年に一度は血管エコーを受けましょう。
<脂たっぷりのラーメンの多食&汁まで完食は危険>
週に3回も、昼にチャーシュー入り豚骨ラーメン(汁を半分飲む)を食べていた61歳の男性ですが、2011年5月には頸動脈プラークが1.4mmでしたが・・・2012年8月に2.2mm・・・2012年11月には2.5mm・・・と進行していましたが・・・・(昼のラーメン食をノーマークでしたので)・・・その後は週に6回にラーメンの回数を増やし(汁も全部飲むように)したところ・・2013年6月の・・・・7ヶ月後には・・・2.5→3.0mm へ急速にプラークが肥厚しました。 しかし、ラーメンを止めて揚げ物なども食べなくなったら・・・2014年3月の・・・9ヶ月後には・・ 3.0→2.29mmまでプラークが驚くほど減少しました。・・その後2014年12月には・・・1.53mmまでプラークが減少しました。
若者の“脂たっぷりラーメン”の過食が心配です。食べる回数や食べ方には・・くれぐれも注意致しましょう。健康のバロメーターとして「体重」をお考えなら・・それは絶対に危険です。この方は肥満ではありません。
ラーメンの汁を冷やして脂成分を除去してスープにするお店をテレビで見ましたが・・広まることを願っています
即席ラーメンでも、ノンフライ麺で鶏ガラスープなどの製品が発売されましたが、脂質含有が少なく、悪くないかもです。
<現代医学の常識を基に健康に注意しても、プラークがとても肥厚している人が多い>
最近、健康にとても気を使っているのに、頸動脈プラークが徐々に進行し、ついには2.69mmまで年々肥厚して心配になり、遠方から受診された50歳前後の方がおられます。プラークと食品の関係について、あまり念頭にない・・現代の医学常識に基づいた健康情報では動脈硬化を予防できないのは明白です。
幸いなことに毎年受けていた頸動脈エコーを受けていたから、思わぬ動脈硬化の進行に気付けたのですが・・・頸動脈にプラークが堆積しない例も多いので・・「健康に注意していたのに・・倒れる」事例は相当数に上ると思われます。
何度も繰り返し述べていますが・・・「運動や体操」、「魚やオリーブ油などを努めて摂取」、「野菜を毎日摂取」、「食事の時は野菜を先に食べる」、「血管にいいサプリを服用」、「糖質やカロリー制限(での体重減)」、「塩分制限」、「薬で血圧降下」、「薬でLDL低下」、「アルコールの休肝日」・・などでは残念ながらこれらの努力ではプラークの進行(動脈硬化の進行)を食い止めることはできないのです。
<頸動脈エコー、CAVI検査、ABI検査で安心するのは危険>
頸動脈エコーでは、そのプラークは危険レベルとの判断はできなくても、身体の他の血管にプラークが激しく肥厚していれば、脳梗塞・心筋梗塞は時間の問題なのです。
最近も、3年前に歩行中にふらつき、記憶が一時的になくなった57歳の女性の方が遠方より受診されましたが(歩行ではなく運転していたら重大な事故を起こしていたでしょう)、当時の頸動脈エコーでは頸動脈のプラーク肥厚は最大1.6mmしかなく、動脈硬化の検査であるCAVI(キャビイ)検査やABI(エービーアイ)検査も異常ありませんでした。・・・でも・・当院の8ヶ所の血管エコーでは・・頸動脈のプラークは1.53mmと・・同じく、特に危険レベルではなく、・・・でも・・左大腿動脈に3.64mmもプラークの肥厚がありました。
脳梗塞・心筋梗塞のリスクレベル=4であり、“RAP食”を指導して血液サラサラ薬を開始致しました。
2016年8月8日-追記
注意:)“肝硬変”の方、糖尿病合併の慢性肝炎やアルコール性肝障害の方など乾燥海藻、生の海藻(モズクなど)、魚の生食はビブリオ・バルニフィカス菌感染症になり、手足の“虫さされ様の発赤・腫脹・痛み”→化膿→壊疽で手足の切断事例・死亡例などがありますので危険です。加熱後の海藻・魚はOKです
<血管のために・・魚介類・軟体動物のコレステロールを努めて摂取を>
魚介類・肉類の脂質を出来るだけ低く抑えて・・・と、指導していますが・・中には血管が弱くなる・・血管力の低下・・を心配される方がおられます。
しかし血管に必要なコレステロールは制限していません。むしろ、貝類、イカ・タコ・エビ・カニのコレステロールは多めに摂取を。私は新鮮なイカを毎週 1パイ以上、刺身で頂いています。冬のナマコのシーズンは、大~中のナマコを毎日1匹頂きます。お陰で私のLDLは180前後をキープしています。
なお、・・イカ・タコの見た目・触った感触は人間の動脈の感触とほぼ同じです。
全ての細胞の膜は脂質で出来ています。細胞の表面がツルツルなら・・皮膚もツルツルになります。細胞の表面や細胞間隙のためにも、血管壁の“血管力”強化のためにも・・コラーゲン・ヒアルロン酸たっぷりの軟体動物であるイカ・タコ・ナマコ・ホヤ・貝類などを多く頂きましょう。
それで・・LDLが多少上がっても・・全く問題ありません。ちなみに・・LDLが低い人は・・逆に・・くも膜下出血になる場合があります。・・・LDL上昇・・全くご心配なく。