直木賞作家の五木寛之さんは、独自の健康法で知られています。その健康法には、次のようなものがあります。
- 身体の各部を意識し、身体の声を聞く
- 気休め・骨休め・箸休めをする
- 洗面はスクワットで、歯磨きは片足立ちで行う
- 体の端末(足裏や指先など)を大切にする
- 髪を洗うのは2カ月に1回にする
五木さんは、健康法は趣味や道楽の「養生」のほうがいいと述べており、養生は遊びの1つであるとしています。苦しいことや無理なことはせず、自分の体をよく観察して病気の原因をひもといていくことが大切だと語っています。
五木さんは、執筆生活50年を経て、様々な怪我や病気をかかえつつ元気に生きてきた経験を基に、楽しく歳をとるための健康法をイラスト・図解つきで紹介した著書『なるべく医者に頼らず生きるために私が実践している100の習慣』を上梓しています。
先日、ある人から「毎日、足の指を1本ずつ揉むと健康にいいんだよ」と教えられた。
足の指を揉むくらいのことは、100年前から知っている、と言おうとしてやめた。
「それはよさそうだね。きょうから毎日やってみよう」
と、神妙な顔でうなずきながら、内心、ペロリと舌を出した。
足の指を丁寧に揉むのが体にいいことは、私が昔から言ってきたことだ。体で大事なのは中心ではなく末端である、というのが私の持論だった。30年あまり前に出した養生本のなかで、そのことを冗談をまじえて書いているから、お読みになったかたもいらっしゃるだろう。
夜、寝る前に、足の指の1本1本を、感謝しながら指で揉む。1日ご苦労さんだったね、と、声をかけながら優しく揉みほぐすのである。それぞれの指に名前をつけて、右足の指は親指から順番に、一郎、次郎、三郎、四郎と呼ぶ。小指が五郎ちゃんだ。
左足は親指が一美(かずみ)、次が二美(ふみ)、そして三美(みみ)、四美(よつみ)と続く。小指を五美(ごみ)と命名したと書いたら、お叱りの手紙が殺到した。
いくらなんでもゴミはひどい、というのだ。たしかにその通りだと反省した。イツミと呼ぶことにして炎上せずにおさまった。
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