イーベイと傘下のペイパルの開発者向けプログラムが統合へ

　米国eBayとその傘下にあるPayPalの開発者向けプログラムが統合されることになった。共通のプラットフォームを確立し、外部プログラマーが多様なデバイス向けに、電子商取引機能とオンライン決済機能を併せ持つアプリケーションを開発できるようにするためだ。

　統合後の開発者向けプログラムを統括することになっているマシュー・メンゲリンク（Matthew Mengerink）氏は2月17日、ブログで以下のように述べた。「

　「オンラインとオフラインの商取引の融合が進み、『新しい小売り』のエクスペリエンスを生み出している。モバイル、ローカル、ソーシャル、デジタルの全分野におけるイノベーションがその背景にある。この新しい環境の中で、人々は、いつどこでも、どんなネット接続デバイスでも使える、シームレスに統合されたショッピング/決済ソリューションを求めている」

　メンゲリンク氏は、開発者向けプログラムとプラットフォームの統合プロセスの詳細には触れなかったが、後日、詳しい説明が行われるだろうと述べた。また、eBayは今年10月、一本化された開発者向けカンファレンス「Innovate」を開催するという。

　開発者向けプログラムでは、サードパーティ・プログラマーが、PayPalやeBayを利用する販売者向けの支援アプリケーションを作成するためのさまざまなツールやリソースが提供されている。eBayは長年、こうした外部プログラマーが、eBayのマーケットプレイスとPayPalのオンライン決済ステムの成功の鍵を握ると述べている。

　米国Gartnerのアナリスト、レイ・バルデス（Ray Valdes）氏は、開発者向けプログラムの統合という決定については、2つの見方ができると指摘した。

　「1つの見方は、これは合理化とコストの最適化を目的としており、ニーズの異なる2つの開発者コミュニティが、不本意ながら一緒になるというものだ」と、バルデス氏は電子メールで述べた。

　「もう1つは、この統合はシナジーを目指しており、幅広い統合されたアプリケーションの開発を促進することで、魅力的な市場機会をとらえようとするものだという見方だ」（バルデス氏）

　「私は、どちらの解釈にも一理あると思う。最終的な成果は、統合されたチームの働きにかかっている」（同氏）

　今回のニュースの数週間前には、PayPalの開発者向けチームの責任者だったオサマ・ベディエ（Osama Bedier）氏が米国Googleに転職している。メンゲリンク氏は同氏の後任に任命された。

　この1年、PayPalはeBayの成長の牽引役となっており、eBayの財務への貢献度が増している。これに対し、eBayの主力のマーケットプレイス事業は、売上高が頭打ちになっているようだ。

(Juan Carlos Perez／IDG News Serviceマイアミ支局)

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