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Dell 成功の秘訣

2011年07月30日 | 日記
Dell は、ほかの IT ベンダー各社を真似ようとするのではなく、市場で成功するための独自の方法を見いだした。

筆者は Dell のアナリスト向け年次説明会に参加したが、2011年の同社には誇れることが多数ある。Apple でないために10年近くひどい仕打ちを受けてきた Dell は、同社独自の戦略を実行に移してきた。

筆者個人としては、この戦略は多くの IT ベンダーが現在進めているものより遙かに優れたものだと思っている。それは Apple から学んだ大きな教訓だ。現在、Oracle は IBM になろうとしており、Google は Microsoft になろうとしていて、ハードウェア業界のベンダーはネコも杓子も Apple になろうとしている(Cisco などは特にひどい状況だ)。Microsoft も、IBM もしくは Apple になろうとしている(どちらが目標かは毎月変わる)。また、われわれは Sun と Netscape が Microsoft になろうとして失敗したのも目の当たりにしている。

Apple と IBM は、一方が相手より優れたベンダーになることが主な要因となって企業として現在傑出しているが、Dell が進めるのもまさにこの戦略なのだ。これは支持される教訓だと思う。企業各社は自社が最も優れている部分と成功要因とを明確にし、それらの核となる部分に力を入れる努力をすべきだと思う。

本来、Dell は顧客に重点を置いた法人対象のハードウェア プロバイダだ。焦点をその分野に戻すことで、Dell は驚異的な好決算を発表した。

ビジョンとリーダーシップ
これは経営トップから始まる。適任ではない(スキルが別ものであったり、単純にスキルがなかったりなど)、会社を個人のオモチャにしている、あるいはコスト削減に傾倒して会社の成長に力を入れないといった理由で最高経営責任者(CEO)に退陣プレッシャーを与える企業は多いが、Michael Dell 氏はそうした CEO でない。

EMC、IBM、Intel、そしてもちろん Apple の CEO と同様に、Dell 氏も自分が自社に対して将来的に思い描くビジョンに集中させるよう、自身の会社を仕向けた。

ここ12か月間の重要な節目としては、12社の買収完了や市場の有機的成長に向けた10億ドルの投資がある。彼らはエンタープライズ ソリューションとサービスで10億ドル以上を確保し、戦略的ソリューション市場に参入した。

Dell はクライアント ベンダーとしてスタートし、その事業部の収益性を大幅に向上させた。粗利益率はストレージとネットワーキングでも32%という途方もない数値に達した。全体的に見て2011年度は驚異的な年度で、非一般会計原則(GAAP)営業利益は40%増の41億ドルだった。2012会計年度第1四半期も、すでに営業活動によるキャッシュ フローが24%増の42億ドルとなっている。

最も収益性の高い市場に力を入れたことも成功要因の1つだった。彼らは相変わらず国際企業やコンシューマ市場をサポートしているが、その活動の大半は公共事業、教育機関、そして医療関連の垂直統合市場や大企業/中小企業市場に向けられている。

これらセグメントの市場規模は1兆9,400億ドル相当で、消費者および国際企業市場(いずれも法外なコスト、企業の入札処理やアカウント管理、そして消費者のマーケティングを必要とする)は合わせてもわずか5,100億ドル市場だ。

要するに、Michael Dell 氏は Dell を万能ベンダーにしようとしているわけでない。これをフォーカスと言い、筆者としてはもっと多くの企業にこの言葉を学んで欲しいと考えている(大半の投資家や顧客もきっとそう思っていることだろう)。

同氏にはまだまだこれからやることが残っているが、成功したいと考える企業のトップにビジョンを持った人物がいることの重要性は軽視できない。

戦略とフォーカス
明確に定めた一連の市場に一旦フォーカスしたら、次はその市場を構成する顧客を明確に定義しよう。Dell がフォーカスするグループの問題は、コスト削減に対するプレッシャーの増大と相まって、急増する複雑性とその環境のセキュリティに大きく関連する。彼らは、対象セグメントのことを効率よく学んでからこれらの懸念に取り組むソリューションを定義することで、この結論に達した。

要するに、彼らは購入してくれるだろうと期待する市場に製品を投入するのではなく、いずれは製品を購入せざるを得なくなる買い手について研究してから、定義済みニーズに特化した製品を開発しているのだ。

その結果、彼らは企業買収方法の見直しを迫られた。企業を買収する場合、人と製品の統合(これが獲得したものの多くを破壊する場合が多い)が焦点になる場合が多い。Dell は、買収をできるだけ成功させることにフォーカスしているのだ。

彼らが最近行った事実上すべての買収が成功したのは、当然のことだ。われわれは、「買収を買い手のイメージに当てはめるのではなく、それを成功させることにフォーカスすれば、ほとんどの場合それは成功に結びつく」という教訓を忘れてはならないと思う。

それ自体に大きな変化が起こっている何か大きなものの一部の成功を計測するよりも、明確に定めた事業の成功を計測して管理する方がはるかに容易だ。

これのもう1つの興味深い側面が、すでに成功を収めている事業部を獲得する点だ(成功している企業を買収した場合)。さもないと、対照的に、うまくいっていたものを放り出して何か違うものを作り出し、ほとんど最初からやり直すことになる。合併や買収に向けた統合アプローチの70%近い障害発生率に反して行動することになるのだ。

まとめ:強いリーダーシップとビジョン、フォーカス、そして指標ベースの実践
われわれは、自分たちの願望や期待に添えない企業や CEO の批判に長い時間を費やしてきた。しかし、各社の適切な行動については十分には話題にしてこなかった。話題にするときは、魅力的な製品や財務成績といった明確な評価指標にフォーカスし過ぎていた。

われわれは、会社がそこへ到達する方法にもっとフォーカスすべきだと思う。通常は、トップの持つ実行可能なビジョンと、会社を必要なポジションへと導く強力なリーダーシップ スキルの結果として現れる。

顧客を特定することは絶対不可欠であり、これに加え、顧客が今必要なことだけでなく、今後必要になってくるものまで調査する必要がある。EMC、Apple、IBM、および Intel のような企業は、この鮮明なフォーカスとリーダーシップによってそのポジションを確立しているのだ。

Michael Dell 氏は会社をこのグループから譲り渡し、苦しんで取り戻した。同氏と同氏のチームの取り組みは称賛に値する。しかし、われわれはこれを教訓にすべきだ。会社のやり方を模倣するという通常の手法ではなく、Michael Dell 氏がとった手法を模倣することを学ぶべきなのだ。

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