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“現在最強”!?、ほぼ全部入り無線LANルータ「AtermWR8700N」の実力検証(前編)

2010年04月25日 | 日記
 NECアクセステクニカのAtermシリーズは、古くはISDNターミナルアダプタ、近年はブロードバンドルータや無線LAN機器ベンダーとしてファンも多い製品だ。

【拡大画像や他の解説画像】

 同社はIEEE802.11nドラフト対応のモデルも早い時期に投入して多製品展開をしていたが、それぞれにメリット、デメリットがあり、無線LAN通信で使用する2.4GHz帯と5GHz帯を同時に利用できる“ほぼ全部入り”モデルの投入は見送られていた。昨今、ノートPCの内蔵無線LAN機能でも2.4G/5GHz帯の両対応は珍しくなくなっており、これらの周波数を同時に利用できる製品が出るまでIEEE802.11n対応無線LANルータの導入を見送っていた人も少なくないだろう。

 そんな状況において、ようやく“これならば”と思える仕様で登場したのがハイエンドモデル「AtermWR8700N」(以下、WR8700N)だ。

 WR8700Nは、2.4G/5GHz帯の同時利用に対応する新モデルで、もちろん理論値最大300MbpsのIEEE802.11nをこの2つの周波数帯で同時利用できる無線LANルータだ。同時に、動画配信サービスやDLNAサーバ/クライアント機能の対応が進む家庭用AV機器(テレビやBlu-rayレコーダーなど)も高速な無線LAN接続で利用したいユーザーにうれしい、2.4G/5GHz両対応イーサネットコンバータ「WL300NE-AG」も投入する。今回は、ルータ本体のWR8700NとイーサネットコンバータのWL300NE-AGをセットにした「PA-WR8700N-HP/NE」を評価機に用いた。

 ちなみに、本体単体の「PA-WR8700N-HP」はもちろん、USBスティック型無線LAN子機とのセットモデル「PA-WR8700N-HP/NU」も用意し、利用環境に応じて導入できるラインアップとなっている。

 では、早速WR8700Nの基本スペックを確認しよう。すでに触れたとおり、無線LANは2.4GHz帯でIEEE802.11b/g/n、5GHz帯でIEEE802.11a/nに対応し、それぞれ同時利用が可能だ。無線通信側のセキュリティは64/128/152ビットWEP、WPA/WPA2に対応し、接続設定の自動化機能は「らくらく無線スタート」と「WPS」の両方に対応する。このため、ニンテンドーDSやWii、プレイステーション 3やPSPといった無線LAN機能を備える家庭用ゲーム機も、暗号キーの入力なしで高セキュリティでの接続設定が簡単に行える。

 有線LAN側は、WANポートと4つのLANポートがすべてギガビットイーサネットに対応し、WAN-LAN間のスループットはカタログ値で約919Mbpsと大変高速な値を示している。全ポートがストレート/クロスケーブルを自動認識するので、ほかのブロードバンドルータ環境から乗り換える場合にも、それと置き換えることでそのまま動作するだろう。ついでに、簡易NAS/DLNAサーバ機能も新設され、背面のUSBポートへHDDなどのUSBマスストレージ機器を接続することでネットワーク経由でデータを共有できるようになった。

 ボディは、下位モデルにあたる「AtermWR8500N」と同様のアンテナ内蔵タイプで、カラーリングのみ近年のAtermシリーズで多く採用されたホワイト基調ではなく、ブラックとグレーの端正なツートーンカラーを採用した。アンテナをスマートに内蔵する仕様なので家庭内の適当な場所へ設置しやすく、縦置き/横置き/壁かけと、複数の設置スタイルも選べるようになっている。

 有線LANを無線LANに変換するイーサネットコンバータのWL300NE-AGは、2.4GHzのIEEE802.11b/g/nと5GHzのIEEE802.11a/nに対応。ギガビット対応の有線LANポートを2つ備え、ネットワーク対応AV機器など、2つの有線LAN機器を“高速無線LAN対応”にできる。

 セットパッケージのPA-WR8700N-HP/NEにおいては、すでに本体のWR8700Nと無線接続が設定済みであるほか、“らくらく無線スタート”により、ボタン操作だけで高度な暗号化接続の設定も簡単だ。初期設定は電波干渉による通信速度の低下が起こりにくい5GHz帯を使用する設定となっており、ネットワーク対応テレビなど、安定した高速通信と容易な導入方法を求める家庭用AV機器に適した機器であることが伺える(背面のスイッチ操作で2.4G/5GHz、どちらの周波数帯を使用するかも簡単に設定できる)。

●高性能は当然、便利な自動設定機能も継承

 WR8700Nは、Atermシリーズならではの便利な自動化機能もそのまま継承して搭載する。

 例えば、動作モードの自動設定だ。本体の“らくらくスタートボタン”を押したまま電源を入れる(ACアダプタを接続する)と、WAN側の状態を識別してPPPoE/ローカルルータ/アクセスポイントモードのどれで動作するかを自動的に設定してくれる。PPPoEの場合はISP(プロバイダ)の接続IDやパスワードの設定が必要だが、認証が不要であることが多いケーブルテレビインターネット接続では一切の設定なしで使い始められるので、ネットワークの設定に詳しくないユーザーであってもほとんど迷わず導入できるだろう。アクセスポイントモードへは背面のスイッチでも明示的に切り替えられる。

 このほか、アクセスポイントモードにおける本機のIPアドレス設定を、家庭内LANのIPアドレス範囲+下3桁を211に自動設定(例えば、家庭内LANのIPアドレスを192.168.1.xxxで使用する環境なら、192.168.1.211に設定)してくれる。よくある“192.168.0.xxx以外”の設定で運用するユーザーであっても、初期設定が非常に楽だ。

 無線LANの使用チャネルは、2.4GHz帯/5GHz帯ともに空きチャネルを自動検索してくれるので、こちらも詳細な設定は基本的に不要だ。5GHz帯の初期設定では、5.2GHz帯(W52)のみが自動検索の対象だが、これは5.3GHz帯(W53)/5.6GHz帯(W56・屋外でも利用可能)はレーダー波(気象レーダーなど)と干渉する可能性がある帯域なので、あえて初期設定では無効にしたのだろう。

 もちろん、5GHz帯で利用できるすべての周波数帯の空きチャンネルを自動検索する設定にも変更でき、5GHz帯のどの周波数でもIEEE802.11nのデュアルチャネルで利用できる。なお、下位モデルのWR8500Nは5GHz帯では5.2GHz(W52)でしかIEEE802.11nのデュアルチャネルが利用できなかったが、本機は5GHz帯のすべて(W52/W53/W56)でデュアルチャネルが利用できるようになったのも大きなポイントだ。

 「マルチSSID(仮想SSID)」と「ネットワーク分離機能」ももちろんサポートする。これらは、WEPしか利用できない無線LAN対応機器(例えば家庭用ゲーム機など)と、高いセキュリティ設定で運用したいPCなどを混在して利用するユーザーに、昨今においては必須といえる機能だ。

 なにより、2.4GHz帯と5GHz帯でそれぞれ2つずつ、計4つのSSIDを1台で運用できるのがポイントで、初期状態で周波数帯ごとにWPA/WPA2-PSK(AES)とWEPのみのSSIDがあらかじめ設定されている。同じく初期設定ではWEP側のSSIDをネットワーク分離──同一のSSID内とインターネット間しか通信できないようになっているので、無線LAN接続をPCやネットワーク対応AV機器、家庭用ゲーム機を混在させたい家族ユーザーにも安心だ。

 もちろんハイエンド志向のユーザー向けに、それぞれを個別に設定し直すこともできる。例えば、4つのSSIDすべてでWPA2/WPAでの高いセキュリティを保ちつつ、無線LANを4つのグループにして個別のLANとして運用する──などが可能だ。家庭内であっても親回線となるインターネット接続は共有しつつ、接続するSSIDを別にして別のLAN環境として運用できる。単に家庭用ゲーム機に対応するだけでなく、ユーザーニーズ別に極めて柔軟に運用できる点が非常に喜ばしい。

●Atermシリーズらしい、高度で柔軟なルータ機能も健在

 NTT東西のフレッツサービスでは複数のISP(もしくはフレッツ網内のサービス)とPPPoEで同時接続(PPPoEマルチセッション)できる。まず、WR8700Nのルータ機能は最大5つのISPの設定を保存し、同時に接続・利用できる。特定の接続先や特定のLAN内のPCの接続を「決まったISP経由にする」使い方が可能だ。これにより、親回線は共有しつつも利用ユーザーそれぞれで異なるISPを利用する──例えば家族や兄弟、2世帯住宅やルームシェアするユーザーに便利だ。Atermシリーズは従来からパケットフィルタやポートマッピング(ポートフォワード)を同時接続するISPごとに設定できたが、もちろん本機でも継承している。

 さらにこの機能は、同時接続した複数のISPをほぼ等価に扱えるのがポイントの1つだ。例えば「インターネット側の同ポート番号となるパケットを、同時接続したISPごとにLAN内の別々のPCへ転送したい」というシーンにおいて、本機であれば、LAN内にある2つのWebサーバに別々のISP経由で接続することが当たり前に行える。これは自宅サーバを運用するような層には特にうれしいことではないだろうか。フレッツサービスはフレッツ網内で完結するVPNサービスも提供されるが、この機能を応用すると、通常はWAN側への送出が遮断されるファイル共有のパケットであっても“VPNサービス側にだけ送出可能にする”ような設定も容易である。

 このような運用方法は、家庭用途やロケーション的に複数の親回線を引き込めない、あるいはトラフィック規模的に親回線は1つで十分という環境に適するものだ。一方で、業務・ビジネス用途であれば複数の親回線を準備して、ISPも個別運用するのが当然かもしれず、一般的には複数のISPと同時接続するケースは多くないとも思われる。

 ただ、自宅サーバーを複数設置する筆者のようなユーザーにとっては、最大5つのISPと同時接続が可能であり、それぞれの接続をほぼ等価に扱えるという点を特に評価したいのである。【坪山博貴(撮影:矢野渉)】

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