ギャンブル依存の正体…リスク冒す脳の部位とは
読売新聞 11月14日(水)16時4分配信
ラットの大脳の「島皮質前部」と呼ばれる部分の働きを抑制すると、リスクを回避する傾向になることを東北大学大学院生命科学研究科の飯島敏夫教授(脳神経科学)の研究チームが突き止めた。
ハイリスクな賭け事にはまるギャンブル依存症の治療への応用が期待される。研究成果は、米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に掲載された。
飯島教授らはラットを使い、レバーを押すと水が飲める装置を用いて実験した。レバーは二つあり、一方は、押すと必ず2滴の水が飲める。もう一方は、2分の1の確率で、水が全く飲めないか、水が4滴飲めるかのレバー。ラットがどちらを選ぶようになるか調べた。
その結果、ラットは、喉が渇いている時には、水が出ないリスクを冒しても、多くの水を得られるレバーを選ぶ傾向が強いことがわかった。
だが、大脳の島皮質前部に薬剤を注射して活動を抑制すると、必ず水が飲めるレバーを選ぶ確率が高くなった。薬の効果がなくなる翌日には再び、リスクを冒すケースが増えた。
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