福島第一原発2号機が炉心溶融の懸念がある危機的状況になった。
1号機、3号機でも水素爆発が相次ぎ、放射能汚染への不安が広がる。放射性物質はどう広がるのか、いざという時、どう避難すればいいのか。
東京電力によると、3号機で爆発が起きた14日午前11時過ぎ、3号機付近の風向きは西北西で、風速は秒速約4メートル。東側が太平洋に面した福島原発では、西から吹く風なら放射性物質も海側に流れる。もちろん、風向きは変化する。実際、午後1時過ぎには、3号機周辺の風速計は、風向きは南西、風速は秒速2・4メートルに変わっていた。
一般的に、放射線の量は放射性物質が放出された地点から離れれば離れるほど減少する。放射性物質が拡散して薄まるためだ。放射性物質の大気中の動きは風向きや風の強さ、地形によって異なるが、高さ数十メートルの高い排気筒から大気中に放出された場合、煙のような形をした「放射性プルーム(放射性雲)」になって、風下に流れていく。
東京大学の早野龍五(りゅうご)教授(原子核物理学)と、米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙センターの安成哲平・客員研究員の分析によると、1号機の水素爆発では、ほとんどが海側に拡散し、陸への影響はほとんどなかったと考えられる。
福島の上空200メートルから空気の塊が放出された場合を想定し、コンピューターで水素爆発前後の空気の流れを分析した。その結果、爆発直後の空気は風に乗って北東に進み、宮城県沖をかすめるように太平洋上に拡散。その前後の時間でも、ほとんど陸側への影響はみられなかった。
早野さんは「水素爆発の後、宮城県の女川原発の放射線の値が比較的高かったが、この事実とも矛盾しない結果になった。現在観測されている放射性物質の濃度は、健康被害がほとんどないレベルで、冷静な対応が必要」と強調した。
避難する際、重要なのは風向きだ。風向きが一定しているようなら、まずは風向きと直角の方向に進むのが有効。気密性の高い建物に避難すると、被曝(ひばく)量は20分の1から70分の1に、通常の建物でも4分の1から10分の1に減らすことができる。
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東京電力によると、3号機で爆発が起きた14日午前11時過ぎ、3号機付近の風向きは西北西で、風速は秒速約4メートル。東側が太平洋に面した福島原発では、西から吹く風なら放射性物質も海側に流れる。もちろん、風向きは変化する。実際、午後1時過ぎには、3号機周辺の風速計は、風向きは南西、風速は秒速2・4メートルに変わっていた。
一般的に、放射線の量は放射性物質が放出された地点から離れれば離れるほど減少する。放射性物質が拡散して薄まるためだ。放射性物質の大気中の動きは風向きや風の強さ、地形によって異なるが、高さ数十メートルの高い排気筒から大気中に放出された場合、煙のような形をした「放射性プルーム(放射性雲)」になって、風下に流れていく。
東京大学の早野龍五(りゅうご)教授(原子核物理学)と、米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙センターの安成哲平・客員研究員の分析によると、1号機の水素爆発では、ほとんどが海側に拡散し、陸への影響はほとんどなかったと考えられる。
福島の上空200メートルから空気の塊が放出された場合を想定し、コンピューターで水素爆発前後の空気の流れを分析した。その結果、爆発直後の空気は風に乗って北東に進み、宮城県沖をかすめるように太平洋上に拡散。その前後の時間でも、ほとんど陸側への影響はみられなかった。
早野さんは「水素爆発の後、宮城県の女川原発の放射線の値が比較的高かったが、この事実とも矛盾しない結果になった。現在観測されている放射性物質の濃度は、健康被害がほとんどないレベルで、冷静な対応が必要」と強調した。
避難する際、重要なのは風向きだ。風向きが一定しているようなら、まずは風向きと直角の方向に進むのが有効。気密性の高い建物に避難すると、被曝(ひばく)量は20分の1から70分の1に、通常の建物でも4分の1から10分の1に減らすことができる。
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