銀河中心部、2方向から観察=「重力レンズ」利用―信州大など
時事通信 2月19日(火)19時3分配信
約100億光年先にある銀河の中心で輝く天体「クエーサー」からガスが吹き出す様子を、重力レンズと呼ばれる現象を利用して異なる角度から観測することに、信州大などの研究チームが成功した。論文は19日までに米天文学誌アストロノミカル・ジャーナルに掲載された。
銀河の中には、中心部の巨大ブラックホールがガスを吸い込む際、明るい光を放つクエーサーを持つものがある。クエーサーの周縁部には、ガスの円盤や外側に吹き出すガスの流れ(アウトフロー)などがあると考えられているが、地球からは恒星のような点にしか見えず、構造を観測するのは難しい。
信州大の三沢透講師らは、約100億光年先にあるクエーサーを米ハワイ島のすばる望遠鏡で観測。手前にある約50億光年先の銀河団の重力で光が曲がるため地球からは三つに見えるが、このうち明るい二つを選び、アウトフローの見え方を比較した。
手前の銀河団がレンズのような役割を果たして二つの光は曲がって届くため、同じクエーサーを異なる方向から観測したのと同じことになる。この二つを分析したところ、ガスを構成する元素が異なっており、ガスにむらがある可能性が高いことが分かった。
吹き出すガスは周辺の銀河で星の材料になると考えられ、三沢講師は「クエーサーの詳しい構造が分かれば、元素がどのようにばらまかれていくかなどが分かる」と話している。
研究チームには信州大のほか、奈良高専、苫小牧高専、東京大、国立天文台、宇宙航空研究開発機構の研究員が参加している。
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