今日も社会保険庁職員が、年金を着服したと報道された。10件で一億三千万円だという。これは氷山の一角だそうな。だとすれば、社会保険庁には年金着服が横行していたのである。
筋書きはこうであろう。社会保険庁は労働者の権利意識が強く、さぼる権利が常識化していた。支払われた年金の記載もさぼる。記載されない持ち主不明のカネがたまる。
このカネを社会保険庁職員が着服するのである。カネの持ち主が不明になっているのだから、内部では決してばれない。いや着服しなければ、持ち主不明のカネがたまる一方だから、横領して使ってしまわなければ困るのである。こうして横領が蔓延する。問題は何故おさぼりが公認されたかである。
たとえば健康のために、パソコンは一日何回しかキーを押さないとかである。計算してみるとパソコンを速く打てる人なら1時間もパソコンを使えないような無茶な制限である。
この権利を主張するのは労働組合である。公務員の労働組合だからいくら権利を主張してもつぶれないから、いくらでも権利を主張できる。こうして労働者の権利は民間会社に比べ、いくらでも肥大する。
しかも労働組合には政党のバックがある。民主党、社民党、共産党である。私はかつて公務員をしていた。労働組合と当局の主張がもめると労働組合は共産党の議員などを呼んで圧力をかける。
公務員は議員さんには弱いから負ける。それが分かっているから、当局は議員さんが登場する前に妥協してしまう。だから公務員の職場には労働者の権利が蔓延する。
勤務時間をできるだけ少なくして休息する権利、特別昇給をする権利、雪の降るところで働けば寒冷地手当てなどの特別報酬などなど。要するにできるだけ少なく働いてたくさんの給料をもらう権利である。
公務員の労働組合は本質的に民間の労働組合とは違うのである。多くの公務員の労働組合員は良心的な人たちである。ところがそれが組合の意見にはならない。組合の幹部は訓練を受けている。少数であっても連携して支配する訓練である。
人前で自己主張して他人の意見を押さえ込む訓練である。たとえ百人の良心的な人がいても五、六人の確信的なひとたちが声をあげて自己主張すれば、残りの95人は恐ろしくて従うしかない。恐怖の支配である。
私もある職場の長として組合と対峙したことがある。前任者が組合と約束した闇取引は違法だから実現できないとつっぱねたからもめたのである。前任者は転勤するとわかったからできもしない約束をしたのである。
私が約束をつっぱねたのは勇気があるからではない。物理的に、法的にできない約束だからつっぱねるしか方法がなかったのに過ぎない。労使関係が膠着するとある日、よその官庁の職員が訪ねて来た。
地域の労働組合の幹部だという。そして何とかしろと要求する。会議があるとか言って逃げると次の日にまたくる。午前の同じ時間である。聞けば通勤の途上である。結局十日ほどでおえた。
この組合員は十日間半日さぼり続けたのである。しかし彼の上司はとがめなかったのである。組合が怖いのである。組合の怖さは経験した者しかわからない。こんなことも常態化していた。集団で仕事中に職場放棄して、部下職員が上司を糾弾する。
一人の上司に対して数人が横一列に並んで、次々に要求や非難やらを口にする。せりふは事前にきまっているらしい。学芸会である。普段とは異なり彼らの顔はひきつっている。異様に興奮している。
こんな彼らと対決するのは恐怖である。ノイローゼになった人も何人かいる。新聞には労働組合と当局の癒着による社会保険庁の怠慢と書いていたものがあった。癒着ではない。恐怖による支配である。怖くて組合の言うことを聞かざるを得ないのであって、仲良く癒着しているのではない。
彼らが強気で居られるのは何故か。後ろに政党がいるからである。社民党、共産党、民主党がいるからである。これら政党は年金問題で安倍政権を追及しても、なぜそんなことが起きたかは追求しない。
追求すれば労働組合に行き着く。労働組合は集団でこれらの政党に投票する。だから労働組合を追求しない。癒着しているのは政党と労働組合である。だから年金問題の本質は解決しない。
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