見出し画像

私の愛機は8cmMARK-X

Radio と Janis Ian

年が明けてから透明度の良い夜に巡り合うことが出来ず、アッというまに4月に突入することとなった。特にさぼっていたというわけでもなく、かみのけ座からおとめ座の銀河を撮りたいと思っているが本当に良いコンディションの夜が無く、自宅からのクリアな富士山もしばらく見ていない。

60日間ブログの更新が無いと、記事上部に広告が掲載されたりアクセスログがレポートされないことを知り、昔の思い出話を一つ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Radio と Janis Ian

夜遅くまで天体観測をしていると自然とラジオの深夜放送に耳を傾けることをおぼえた。天文仲間の間でも天体の話題に加え深夜放送に関してもしばしば盛り上がったりしていた。

小学生の頃にゲルマニウムラジオキットを買ってもらい、電話のダイヤル終端の指止めにキットのアンテナ部を接続すると、無電源にもかかわらずイヤホンからラジオの声が聞こえてきて不思議に思ったことが最初のラジオの思い出のように思う。
その後トランジスタラジオキットを購入し初めて半田付けを経験し、その自分専用のラジオを介し洋楽を知った。

高校生の頃だったと思うが、短波放送のベリカード収集が全国的にちょっとしたブームになったことがあった。海外放送局の日本語放送を聞き取って、その簡単な受信状況レポートを送り、局から送られてくる受信認定証(verification card)を集めるというものである。
見慣れない海外の切手が貼られた封筒を開けると異国情緒たっぷりの様々なカードを見ることが楽しく、エクアドルやオーストラリア、アメリカ、バチカン市国など放送時間に合わせて注意深くチューニングダイヤルを回したものだ。

このブームの立役者となったラジオがソニーのスカイセンサーとナショナルのクーガーだった。それぞれAM、FMに加え3バンドに分けられた短波放送を受信することができ、そのメカニカルなスタイルが何とも魅力的だった。クラスでもスカイセンサー派とクーガー派に分かれ、本当の性能議論は分かるわけもなく、斬新なデザインやジャイロアンテナなどの機能で他愛もない議論をしていた。

私はスカイセンサー派で、5500は今思うにmark-xと同じくらい好きな代物だった。どうもカチッとした機能性に富んだ工業デザインが昔から好きだったようだ。

受験勉強のナガラ勉強のお供として、机の上に常時スカイセンサーはあり、時には”百万人の英語”や”蛍雪時代”なども親への言い訳として聞きはしたが、ビルボードはじめ洋楽のヒットチャート番組が大好きだった。

今から20年ほど前だったと思うが、渋谷のo-westで開催されるJanis Ianのコンサートチケットを2枚もらった。高校生当時、ラジオから流れる彼女の曲 "At Seventeen"や"Jesse"は好きでよく覚えていた。

コンサート当日、ワインを飲みながら目前でのパフォーマンスを見聴きしながら、えも言われぬ郷愁感を味わった。ラジオ超しにほのかな憧れとともに聞いていた彼女の声は、当時異国のアーティストとして遠い存在に過ぎず、全く自分には縁のないものとして聞いていた。将来この声の主に会えることを高校生の頃の自分に教えることが出来たらどう思うだろうか、などといった感情だった。
コンサート終了後にはステージ脇でサイン会、握手会が行われ、その際に直接会話ができ、握手をし、自分の名前付きサインももらえ、感激しながら会場を後にした。

ずっと不思議に思っていることがある。
視覚経由の記憶と、聴覚経由の記憶の違いだ。例えば、様々な天体の観望を終えた後、外から室内に戻った瞬間(その観望直後ですら)に、果たして本当に自分はこの眼で数々の天体を見てきたものかどうか疑問に思えるほど実感を伴わない。いつもなかば夢の世界の出来事だったように感じる。
一方、音楽などの聴覚情報は明らかな実感が伴い、それを聞いていた頃のその他付随情報までがありありと浮かび上がってくる。
この違いは何だろう。天体観望は一枚のスチール写真程の記憶だからだろうか。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ノスタルジックなよもやま話」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2024年
2023年
人気記事