花のある生活

花はあまり出てきませんが。

交流分析8  時間の構造化

2020-11-10 | 交流分析
交流分析1  私もOK あなたもOK

交流分析2  ディスカウント

交流分析3  ストローク経済 貧富の法則

交流分析4  自我状態と交流の分類

交流分析5  人生脚本

交流分析6  人生脚本 禁止令

交流分析7  ラケット感情・ゲーム理論



2022年8月16日更新
2024年8月16日更新


交流分析では「その人が他者からのストロークを得るためにどのような時間の使い方をしているか」を「時間の構造化」と言います。


閉鎖・ひきこもり  他の人との関わりを持たない状態。 考え事や空想に費やしている時間。

儀式・儀礼  日常のあいさつや事務的な会話。 それほど親しくなくても安定的なストロークが得られる。

活動・仕事  自身の職場や家庭での義務や役割的な活動を通してストロークを得る。 趣味の活動や習い事。  

雑談・社交  他人との気軽なおしゃべり。 特に理由や目的のない会話がほとんどだが、相手の状態などが推測しやすくなる利点も。 

ゲーム  他人を自分の思い通りに操作しようとしたり利用しようとしたりする、不毛なやり取り。 交流分析7  ラケット感情・ゲーム理論を参照      

親交・親密  お互いを尊重することが出来、信頼関係が築けている状態。 「私はOK あなたもOK」の構え。  



交流分析はこれで終わりです。




交流分析によるストロークと時間の構造化

時間の構造化とは





交流分析7  ラケット感情・ゲーム理論

2020-11-02 | 交流分析
交流分析1  私もOK あなたもOK

交流分析2  ディスカウント

交流分析3  ストローク経済 貧富の法則

交流分析4  自我状態と交流の分類

交流分析5  人生脚本

交流分析6  人生脚本 禁止令



2022年8月14日更新
2023年8月27日更新
2024年8月16日更新


交流分析で「ラケット感情」というのは、「代用された感情」「ニセモノの感情」と言われます。

幼少期の生活環境で「素直な感情」を表現することが歓迎されていなかったり、親や周りの人間からストロークを得るために「本来の感情表現」がズレて「ニセモノの感情表現」が習慣化してしまった状態。

例えば、親や周りの大人に「自分の感情」に寄り添ってもらえなかったときに、ダダをこねて暴れたら「怒られるなどの反応」が得られて、自分に関心を向けてほしいときは「怒られることをすれば注目が得られる」ことを学習した、など。


さびしい・構ってほしい → イライラ・不機嫌な態度 

怖い・不安 → ヘラヘラ笑う  イライラ・不機嫌な態度

怒りを感じる → ヘラヘラ笑う  泣く(悲しい)

 

交流分析では「絞首台の笑い」と言われるものがあります。

もともとは死刑執行を前にした囚人が刑の執行の時に、ニヤリと笑みを浮かべる様子のこと。

そこから、にこやかに自分の不幸や辛い経験を話すことを「絞首台の笑い」と言う。 「私はOKじゃない あなたはOK」の構え。


イジメや虐待などの経験を笑いながら話す。

仲間内で本当は嫌なのに下品な冗談に合わせて笑う。

いつも自分の失敗話やバカな行動をしたりして周囲の笑いを取る。



「ラケット感情」を感じることで終わる行動、その一連の行動のことを「ラケット行動」と言います。

ラケット行動は、幼少期ならば欲しいストロークが得られたり、欲求を満たすことができたかもしれませんが、大人になってからでは、幼少期とまったく同じ方法で思い通りのストロークや欲求を満たしてもらえるわけではありません。


無力  すねる  いじける

ガキ  かみつく  くってかかる 

援助  過剰なおせっかい  過保護

ボス  問い詰める  理屈をこねる



ラケットは脚本に由来し、脚本を強化するもので、ラケット行動は「(一人で)ラケット感情を感じて終わるもの」であるが、複数になると数人の間で「ゲーム」が行われ、全員が「バツの悪い感情」を感じて終わることを「ゲーム理論」と言います。


仕掛け人(自分のネガティブな信念を確認したい) → カモ・弱者(巻き込まれる人) → 反応(主に怒りの感情) → 役割の入れ替え(仕掛け人とカモが逆転) → 混乱(カモがキレる) → 結末(双方で苦い感情を感じる) 


「仕掛け人」にカモ(弱者)にされやすいタイプは、正義感の強い・攻撃的な挑発に反応する(CP)・悩み相談を親身に聞いてくれる(NP)・「ラケット感情」を感じやすい(AC)の傾向が高い人。


キック・ミー(私を嫌ってくれ)  わざわざ相手を挑発し、相手がイラつくような言動・行動を繰り返し「自分は拒絶されて捨てられるのが当然だ」を確認する。 「私はOK あなたはOKじゃない」の構え。
 
はい、でも…  相手に相談を持ち掛けたり支援を求めたりするが、相手がそれに対して返答を返すと「はい、でも…」と相手の出す意見はすべて否定するので、しまいには相手が怒りだしたり無力感を覚えたりする。 「私はOK あなたはOKじゃない」の構え。

アラ探し  どうでもいい細かい間違いや、やり方の違いを指摘しては注意や批判をする。 揚げ足取り。 親子・嫁と姑・上司と部下など主従の関係に多い。 「私はOK あなたはOKじゃない」の構えで自己を肯定する動機付け。

あなたのせい  物事がうまくいかなかったときに、自分の行動に対する間違いの修正や責任は取らないのに、すべてを他人や環境のせいにしてしまうこと。 自分の行動に無責任な態度を取る「責任転嫁(責任回避)型」と、自分の間違いや短所は棚に上げて他人を厳しく批判する「他罰主義型」がある。

仲間割れ  わざわざ本人に相手の悪口を伝えたり、故意に矛盾する情報を伝えたりして、わざと仲間割れや争いが起きるように仕向ける。 他人同士が険悪になる場面を見て「絆や友情なんてウソ」と自分のネガティブな信念を確認する。 

決裂  相手の人格を揶揄したり過小評価したりすることから始まり、互いに「私はOKじゃない あなたもOKじゃない」を確認する。 相手と親密な関係になることへの恐れから行われることもある。 「決裂と修復」を延々繰り返すことも。

ひどいもんだ(大騒ぎ)  自分の不幸や苦痛を大げさにアピールすることで、他人からの注目や同情を集めようとする。 自分の不幸や苦痛を盛んにアピールして支援を引き出そうとしたりするが、自ら適切な解決策を取ろうとはしないので、次第に周りの人間から相手にされなくなる。
 
苦労性  自分の体力や限界を考えずに過大な責任や、たくさんの仕事を背負い込むが、仕事の処理が追いつかずに体を壊すことにもなるので、最終的に周囲の人が困ることに。 完璧主義の人に多い。

あなたのため  患者の治療に熱心すぎる医者と医者の無能さを証明したがっている患者。 医者は「患者のために」と細かく注意をしたり、治療方針を守らせようとしますが、患者は「効果がない・改善していない」とマイナスの評価をするので、自信を喪失した医者が、ますます「あなたのために」と治療や検査を増やしたりして悪循環になる。

あなたを助けたい  とても親身に考えてくれるのだが、過保護が過ぎる上に本人の意見はまったく聞かない。 相手から反抗されたり拒絶されると「あなたのことを思ってしているのに」と相手を責めるので、両方が不愉快になる。



「ゲームのやり取り」は、表面的には「普通の雑談の会話」から始まり、仕掛け人が「自分はOKじゃない」「他人はOKじゃない」を確認するために「否定的なストローク」を求めて行われるもの。


日々の社会生活の中で、周囲の人間と自分を比べたりして劣等感や嫉妬心を感じた時など。

人付き合いがほとんどなく自宅と職場を往復しているだけの生活で、孤独感を感じて「ストローク」に飢えている。

仕事も家庭も順調で、それなりに友人もいて経済的にも安定した生活を送っているが、その「安定した生活」を退屈に感じて「トラブルの緊張感や刺激が欲しい」と思っている。 いわゆる「ヒマつぶし」。



次は「交流分析8  時間の構造化」です。



ラケット感情とは

交流分析のゲームの分類とゲーム分析

あなたの「心理ゲーム」はどれ? イライラの根本理由を探そう

ひやかしを受けて育った子ははにかみ屋になります

ライバルを気にしすぎるのは「暇な証拠」




交流分析6  人生脚本 禁止令

2020-02-04 | 交流分析
交流分析1  私もOK あなたもOK

交流分析2  ディスカウント

交流分析3  ストローク経済 貧富の法則

交流分析4  自我状態と交流の分類

交流分析5  人生脚本


2022年7月30日更新
2024年8月16日更新


人生脚本における「禁止令」というのは、親(養育者)・祖父母・学校の教師など、周りにいる大人の言動や態度から無自覚に発せられてしまう願望や些細なグチ。

しかし、大人にとっては単なる「些細なグチ」であっても、子供にとって絶対的な存在である親や周りの大人からの「言語的・非言語的メッセージ」は「自身の存在の否定」「気質や行動の制限」と受け取ってしまうため、ことあるごとに繰り返し「これらのメッセージ」を発していると、呪いのように脳裏に刷り込まれていく。


存在するな  おまえがいない方がよかった。 お前はいらない子だ。

成長するな  親や周りの大人が世話を焼き過ぎる。 甘やかされた末っ子。 

自分の性であるな  おまえが男(女)だったらよかったのに。

子どもであるな  「あなたはもうお兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」と早い段階で自立を強いられる。 

重要であるな  「大人の問題に子どもが口を出すんじゃない」と言われ続けていると、自分の意見は重要ではないと思い込む。

成功するな  何事かに成功してもまったく喜ばないのに、失敗した時だけ慰めたり励ましたりしていると「自分は成功してはいけない」と思い込む。

所属するな  「あの子と遊んではいけません」などと親が子供の友達を選別する。 

健康であるな  病気の時だけ優しくしてもらえる。 病弱な親や兄弟の面倒を見ることが多い。 

近寄るな  子供がコミニュケーションを求めていても、親が忙しそうにしていると「話しかけてはいけない」と思い込む。

感じるな  自身の欲求を無視されたり我慢を強いられることが多いと、感情を抑えるのが癖になり自分の意見が言えなくなる。

考えるな  「親の言うことに口答えするな」「黙って言うことを聞け」と言われ続けていると、自分で物事を判断しなくなる。

何もするな  しつけが厳しく些細なことまで注意する。 何かと「危ないからやっちゃダメ」と言われると新しい物事に挑戦しなくなる。

欲しがるな  親が経済的に困窮している姿を見ていると自分の欲求を言い出しにくくなる。



「○○するな」という禁止令に対して「○○しなさい」という、ミニ脚本の第一段階のドライバー(拮抗禁止令)があります。

禁止令の「○○するな」という否定のメッセージに対して、ドライバーの「○○しなさい」というメッセージは「親や周りの大人の期待に沿うことができる」ということで、これを守ることで自己肯定感が得られたり、やる気を出したりします。 条件付きで「私はOK あなたもOK」の構え。

しかし「期待に沿うこと」に執着しすぎて、「完璧でなくてはいけない」「常に相手を優先しなければいけない」と強く思いすぎると、「ドライバーの裏メッセージ」のストッパー(○○ではダメ)が出てきて、自身の行動に制限がかかることになります。 「私はOKじゃない あなたはOK」の構え。


禁止令(否定) → ドライバー(駆り立てるもの) → ストッパー(制止するもの) → ブレーマー(責任転嫁) → ディスペア(絶望・落胆)



禁止令 →ドライバー 完全であれ(失敗の無いように)(完璧主義)→ ストッパー 中途半端はダメ(何事も100%最後まで)

禁止令 →ドライバー 努力せよ(どんなときでも一生懸命努力しなさい)→ ストッパー 楽をするな(手抜きをするな)

禁止令 →ドライバー 急げ(グズグズしないで早くしなさい)→ ストッパー 自由な行動をするな(集団行動を乱すな)(周りの空気に従え)

禁止令 →ドライバー 他人を喜ばせろ(誰にでも親切にしなさい)→ ストッパー 自分の要求を優先するな(常に他人を優先させよ)

禁止令 →ドライバー 強くあれ(弱音を吐かない)→ ストッパー 素直な感情を出すな(我慢しなさい)



さらには、ストッパー(○○ではダメ)にも「禁止令」があり、「ストッパーの制限」が行き過ぎるとストッパーの禁止令(○○するな)が出てきて自身の感情や行動を、さらに縛ってしまうことになります。

ドライバー(○○しなさい) → ストッパー(○○ではダメ) → ストッパーの禁止令 愛されるな

ドライバー(○○しなさい) → ストッパー(○○ではダメ) → ストッパーの禁止令 自立するな

ドライバー(○○しなさい) → ストッパー(○○ではダメ) → ストッパーの禁止令 楽しむな 

ドライバー(○○しなさい) → ストッパー(○○ではダメ) → ストッパーの禁止令 幸せになるな



ブレーマー(責任転嫁)は「ストッパーの禁止令(○○するな)」が、自分自身ではなく他人に対して感じるようになるもの。 「私はOK あなたはOKじゃない」の構え。

ディスペア(絶望・落胆)は、他人に尽くそうとする「ドライバー」、そのために自分を犠牲にしようとする「ストッパー」、他人に責任転嫁する「ブレーマー」の、これら三つが相互作用とすると起こる。 「私はOKじゃない あなたもOKじゃない」の構え。



そこで、自身の感情や行動に過剰に制限をかけてしまったりするのを和らげ「自分を許可するメッセージ」を出すことを「アロワー」と言います。

ドライバー 完全であれ → アロワー 完璧でなくてもいい

ドライバー 努力せよ → アロワー できる範囲でいい

ドライバー 急げ → アロワー 自分のペースでいい

ドライバー 他人を喜ばせろ → アロワー まずは自分を大切にする

ドライバー 強くあれ → アロワー つらいときは無理しなくていい



この幼少期に決断をした「脚本」があることに気付き、手放すことで「大人になった今の自分なら書き直すことができる」というのが交流分析「人生脚本」の重要な部分。

自分の子供時代には知識も経験も不足しているし、取れる手段も選択肢も限られています。

まだ小さい自分一人で行動するわけにもいかず、親兄弟、周りの大人に合わせるしかありません。

ストレスを受けたとしても、ストレスに対する対処もできません。



しかし「大人になった自分」なら、自分でできることも増えて物事を考えたり判断したりすることもできます。

「子供時代の自分」にはできなかったことでも、「『大人になった自分』ならこのように考えて対処する」と幼少期の決断を書き換えることができる、というもの。

交流分析とは、個人が成長し変化するための心理療法であり、コミニュケーション理論でもあります。



次は「交流分析7 ラケット感情・ゲーム理論」です。




交流分析 禁止令 ミニ脚本

自分の中に棲む親(インナーペアレンツ)

「ガンバリ屋さん」の心を駆り立てる5つの言葉

「人生脚本」を見直せば悩みを根本的に解決できる

人の子育てを見学して「親の理不尽」の正体が見えた気がした




交流分析5  人生脚本

2020-01-07 | 交流分析
交流分析1  私もOK あなたもOK

交流分析2  ディスカウント

交流分析3  ストローク経済 貧富の法則

交流分析4  自我状態と交流の分類



2022年7月30日 更新
2024年8月16日更新


精神科医のエリック・バーンが提唱した交流分析では「人生脚本」は、このように定義されています。

「脚本とは人生早期に親の影響の下で発達し、現在も進行中のプログラムを言い、個人の人生の最も重要な局面で、どう行動すべきか指図するものである」


人生脚本とは、幼少期(大体7歳ごろまで)の感情体験・周りの環境と人間の交流の仕方から学んだ無意識の行動パターン、物事の考え方を基に自分の人生の成り行きを脚本化する、というもの。

いま現在、大人になっていても、すべての人にそれぞれ「子供時代」はあるので自分自身の置かれた環境、周りにいる大人たちとの関わり方から、物事の判断の仕方や相手との距離感・コミニュケーションの取り方などを経験として学んでいきます。

心理学では、この状態を「幼児決断」と言い、「どうやったら親の関心が得られるか」を子供心に考え「自分はこのように行動する」と決断した、というもの。


人生脚本には「勝者の脚本」「敗者の脚本」「平凡者の脚本」の3つの脚本があるといわれています。

勝者の脚本  自分の可能性を信じて自分らしく生きることができる。 相手との信頼関係を築くことができる人生。

敗者の脚本  何かと言い訳を付けたりして自分の思うように行動できない。 人を信じることができず、人生に生きづらさを感じたりする。

平凡者の脚本  良くも悪くもなく「平凡」な人生。 特別悪くもないが、特別注目されたりすることもない。



幼少期に「勝者の脚本」を描いた子供は、大人になって社会に踏み出しても他人との交友関係をうまく築いていけますが、幼少期に「敗者の脚本」を脳裏に刷り込んだ子供は、大人になって社会に踏み出しても他人との交友関係をうまく築くことができずに、生きづらさを感じたり孤独感を抱えたりします。

そして「敗者の脚本」を作ってしまった人は、自身を救済するために「不幸にならないための対抗脚本」を作りますが、「敗者の脚本」を脳裏に刷り込んでいるため無意識レベルで「幸せから遠ざかる選択」をしてしまうのです。

「不幸にならないための対抗脚本」は意識的に選択・行動しなければいけないのに対して、「敗者の脚本」は無意識レベルで選択・行動してしまうので、表面的には「幸せになるための努力」をしていても「不幸への道」を歩んでしまうのです。



また「人生脚本」は長期的に自分の人生感をとらえる概念ですが、それに対して心理学者であるヘッジス・ケーパーとテイビー・ケーラーが短期的に起こる行動パターンを提起したのが「ミニ脚本」。

ミニ脚本には「ドライバー」「ストッパー」「ブレーマー」「ディスペア」の4つの基本概念があり、人生全体が大きな物語であるなら、ミニ脚本は「自分の信念」に裏付けして強化していく行動の一つ一つをいう。


「交流分析6 人生脚本 禁止令」に続きます。



交流分析 人生脚本



交流分析 4  自我状態と交流の分類

2019-03-11 | 交流分析
交流分析1  私もOK あなたもOK

交流分析2  ディスカウント

交流分析3  ストローク経済 貧富の法則



2022年5月22日 更新
2023年7月23日 更新
2024年8月16日 更新


交流分析では、人間の内面がP(親)・A(大人)・C(子供)の三つの自我状態で作られている、と考えられています。

自我状態というのは相手・状況・感情により使い分ける思考・行動パターンのこと。

自分を取り巻いている様々な人間関係や社会生活に適応するために身に着けた無意識の思考パターン。


 → CP 批判的で厳しい父親・規律や正義感。  NP 保護的で優しい母親・親切心、人助けをする。

 → 冷静に物事を判断することができる。 現実的な大人の言動。 

 → FC 天真爛漫で自由な子供。 好奇心が旺盛で新しいことにチャレンジする。  AC 抑圧的で順応した子供。 協調的で周りに合わせる良い子タイプ。 しつけられた子供。



この三つの自我状態を使ってやり取りをすると、こんな感じになります。

P(親)→C(子供)
母親「勉強しないとダメよ」  子供「もっとゲームがしたいのに!」

A(大人)→A(大人)
店員「この商品いかがですか?」  客「いいですね。 これにします」 あるいは「他のは無いですか?」

C(子供)→C(子供)
会社の同僚A「僕の欲しいものをくれないなら意地悪するぞ!」   会社の同僚B「そんなこと言う人は嫌いよ!」 


CP・NP・A・FC・ACを使って「図書館戦争」の登場人物にこれを当てはめてみます。

  CP 堂上  玄田   NP 小牧
  
  柴崎

  FC 郁 (小牧)  AC 手塚 (堂上)
 

堂上は、郁・手塚から見るとCPですが、自意識的に背伸びしているところとか、隊長の玄田には頭が上がらないところとかがACかな?

小牧は、郁・手塚から見るとNPですが、相当な笑い上戸なところはFCかも。


CPとACの間で行ったり来たりしているので、心理的に見ると堂上、なかなか面白い人ですねー。



これを踏まえて、相補(そうほ)交流・交差交流・裏面(りめん)交流です。

相補交流 A⇔A、C⇔C、P→C、C→Pの間で交わされる「肯定感が得られる会話」。 楽しいおしゃべり。 

友人A「毎日暑いですね~」   友人B「お互い熱中症に気をつけましょうね」 
恋人A「桜がキレイね~」   恋人B「桜もキレイだけど君もキレイだよ」 


交差交流  A⇔Aのつもりで発信したのに相手はP→CやC→Pの反応を返してくる、少しイラっとする「あまり肯定感のない会話」。 

知り合いA「毎日暑いね」   知り合いB「冬ならいいのか?」   知り合いA「そんなわけないでしょ💢」
部下A「桜がキレイですね」   上司B「顔にシミがあるからキレイじゃないぞ」  部下A「・・・(💢)」
部下C「明日の天気はどうですかね」  上司B「天気予報が好きなのか?」  部下C「そんなこと言ってませんけど💢」


裏面交流   皮肉的な言い方や、表面(建前)の言動と裏側(本音)が違う様子。 

妻「仕事の資料がまとまらないわ…」  夫「何悩んでいるの?(そんなことより、ご飯まだ?)」
友人A「今日のお昼は何にしようかな」  友人C「弁当買うなら○○がいいよ(その店に行きたいんでしょ!)」




次は「交流分析5  人生脚本」です。



自分の中に潜む「5つの顔」を見つけよう!

人間関係とやる気の問題はこうすれば解決できる

「休日は何をしているんですか」にバカ正直に答えてはいけない…センスのいい人が自然とやっている返し方


交流分析3  ストローク経済 貧富の法則

2018-06-01 | 交流分析
交流分析1  私もOK あなたもOK

交流分析2  ディスカウント


2022年5月8日更新
2024年8月16日更新


スーザンという名の女の子の記録映画で、スーザンは病院に連れてこられたとき1歳十ヶ月でした。

病院に来た時、スーザンは乳児の平均値からもかなり低く、体重は5ヶ月児・身長は10ヶ月児くらいしかありませんでした。


普通の発育状態ならば、歩いたり言葉を発したりできるはずですが、スーザンは立ち上がるどころかハイハイもできず、片言もしゃべることができませんでした。

おまけに人が近づくと泣いて、抱かれたり触られたりするのを嫌がるそぶりをみせました。


色々な検査をした結果、スーザンの体には発育不全になるような異常は何もなかったのです。

医者は困惑しましたが、あるとき、その原因がわかりました。


スーザンの両親が一回も病院に面会に来ない、ということです。

ソーシャルワーカーが両親を訪ねてみると、スーザンは期待されて生まれてきた子供ではなかったため、なにかと邪魔者扱いされ、あまり面倒を見てもらえなかった、という状況でした。

そこで病院ではスーザンの病名を「母性的愛情欠乏症候群」と付け、発育不全な状態は「母親のストローク」が不足しているために起こったもの、と推定されました。


そこで医師たちはボランティアの看護師を募って、スーザンの母親代わりをしてもらうことにしました。

一日6時間、代理の母親がつきっきりで抱いたり、あやしたり、身体的にも精神的にもストロークを与え続けました。

代理の母親だけでなく医師をはじめ、病院のスタッフたちも、なるべくスーザンにストロークを与えるよう心掛けました。


すると数週間のうちにスーザンは抱かれることを嫌がらなくなり、泣き叫ぶことも少なくなり、2カ月後には体重が2.7kg増え、身長も5cmも伸びたのです。

運動機能も情緒面も驚くほど発達し、ついには立ち上がって歩くことができるようにもなったそうです。



赤ちゃんには「母親的な存在」が必要だということなんですね。


スーザンという子の話



親が子供を自分の思い通りに動かすために与えるストロークの量を調節し、ストロークに関する制約的な禁則を教え込むことを「ストローク経済」と言います。


ストローク経済 貧困の法則

ストローク経済 富裕の法則


ストローク経済 貧困の法則(制約的な禁則)

与えるべきストロークがあっても与えてはいけない  ほめていい時でも軽々しくほめてはいけない 

うれしいストロークが来ても受け取ってはいけない  ほめられても素直に受け取ってはいけない。   

自分の嫌なストロークでも拒否してはいけない  本当は嫌でも嫌だと言ってはいけない。 

自分の欲しいストロークを要求してはいけない  ストロークが欲しくても求めてはならず我慢すること。 

自分自身にストロークを与えてはいけない  自分自身に満足してはいけない。   


ストローク経済 富裕の法則(禁則の解除)

与えるべきストロークがあったら素直に与えましょう  ほめるときは素直にほめてあげましょう。

うれしいストロークが来たら素直に受け取りましょう  ほめられたら「ありがとう」と言って素直に受け取りましょう。

自分にとって嫌なストロークは嫌だと相手に伝えましょう  嫌なストロークは無理に受け取らなくていいのです。 

自分の欲しいストロークを相手に求めましょう  ストロークが欲しいときは求めてもいいんです。

自分自身にストロークを与えましょう  自分自身にも「大変だったね」「よく頑張ったね」と言ってあげましょう。 



次は「交流分析4  自我状態と交流の分類」です。



児童精神科医が語る「親の愛情不足」への誤解





交流分析2  ディスカウント

2018-05-11 | 交流分析
交流分析1 私もOK あなたもOK

2022年5月9日更新
2024年8月16日更新


一般的には「ディスカウント」というのは「商品の値段を安くする」という意味です。


しかし、交流分析でいう「ディスカウント」は自分や他人の価値を値引きする行為。

つまり「自分や他人の価値を低く見る」ことで自身の優越感を高めようとしたり、「無能な人間のフリ」をして支援を引き出そうとしたりする、というもの。


例としては、セクハラ・パワハラなどのハラスメント行為や、虐待・いじめ・暴力・自傷行為・自殺など。



馬鹿にする・見下す・嘲笑する  他人の行動や判断に、いちいち文句をつける。 

人の意見を聞かない  自分の意見以外をすべて否定する。

出来ることにも手を出したがる  過保護・過干渉。 能力の過小評価。

自分の心身を大事にしない  自分の健康・精神状態を保つ努力をしない。 

チャンスを無駄にする  良いポジションが来ても「自分なんて」と断ってしまう。

人に頼って自分の能力を磨かない  「ダメな自分」を演出していれば他人の支援を引き出せる、という思考。 



「ディスカウント」を4つの段階で表したものが、

問題の存在そのものをディスカウントする  自分自身で問題に気付かない、または気付かないようにしている。

問題の存在は認めても、その意味合いをディスカウントする  問題が存在することは認めているが、問題の大きさや問題の持つ意味などをスルーする。

問題が解決できる可能性をディスカウントする  問題解決できる可能性があっても努力をせずにあきらめる。

問題を解決するための能力をディスカウントする  自分や他人の能力を過小評価して「できない」と思い込む。



次は「交流分析3  ストローク経済 貧富の法則」です。




他人を値引きする人 自分を値引きする人

モラルハラスメントをする人、受ける人の特徴とは



交流分析1  プラスのストローク マイナスのストローク 

2018-04-13 | 交流分析
2022年5月8日更新
2024年8月16日更新

交流分析(Transactional Analysis)は、フロイトの弟子である精神科医のエリック・バーンによって提唱されたもので、略して「TA」と呼ばれ、最初は英語で呼ばれていたものが日本での研究を重ねていくうちに、日本語で「交流分析」と呼ばれるようになったそうです。

「交流分析」とは、エリック・バーンが提唱した「TA」に日本の考え方を織り交ぜた学問を指します。


交流分析(TA)には3つの流派があり、

古典派  「成人の心」を重視しており、エリック・バーンの考え方に忠実に沿ったもの。

再決断派  「子供の心」を重視しており、ゲシュタルト療法を交流分析に統合したもの。

カセクシス派  「親の心」を重視したもの。



交流分析では、他者との交流・やり取りを「ストローク」と呼んでいます。

プラスのストローク  賞賛・肯定・好意・尊重など、もらうと快適な気持ちになれるもの。

マイナスのストローク  反対・否定・批判など、受け取ると不快感・苦痛を味わうもの。

条件付きストローク  相手の行為や業績と引き換えに与えるもの。 「テストで100点取ったら○○あげるよ」など。

無条件のストローク  その人の存在・人格そのものに与えるもの。 「あなたは生きているだけで素晴らしい」「組織内で自分が気に入らない人間は排除する」など。



交流分析では「OK牧場」と呼ばれる、「自分」と「他人」との基本的立場をいいます。

私はOK  あなたもOK  自分も相手も肯定することが出来て、お互いの信頼関係のある状態。

私はOK  あなたはOKじゃない  他人の揚げ足を取ったり、見下したりする。

私はOKじゃない  あなたはOK  物事がうまくいかない時に自分を責めたり、他人をうらやんだりすること。

私はOKじゃない  あなたもOKじゃない  「自分もダメだし、相手も信用できない」と自暴自棄になる。


交流分析では「スタンプ」という概念があります。

人間の内面にも「ポイントカード」のようなものがあり、ポイントがたまると商品との引き換えに使えたりしますが、「スタンプ」の概念では、日頃の不満や欲求を言わずに我慢していたりすると「心のスタンプ」が押されていき、一定数のスタンプがたまってくると、感情や欲求を抑圧することができなくなり、「スタンプ交換」で暴力行為に及んだり不適切な行動を起こしたりすることを言う。


次は「交流分析2 ディスカウント」です。




交流分析とNLP

ガッツ石松もビックリ!?「OK牧場」は有名な心理学用語

”生き方の癖”が分かれば仕事も人生も改善できる

交流分析概念のスタンプ