花のある生活

花はあまり出てきませんが。

すっぱいブドウと甘いレモン

2020-07-21 | 寓話
ある日キツネは、木の枝にツルが伸びてブドウが一房、ぶら下がっているのを見つけました。

それはそれは熟して、おいしそうなブドウでした。


木の枝は高いところにあり、飛び上がらなければ取れないところにありました。

キツネは必死になってブドウを取ろうと、何度も飛び上がりました。


何度飛び上がってもブドウには届かず、ブドウをにらみつけながらキツネは言いました。

「どうせ、あのブドウはすっぱいに決まってる」

そう言い放って、どこかへ行ってしまいました。



「すっぱいブドウ」の物語は、心理学では防衛機制の「合理化」と呼ばれるもので簡単に言えば「負け惜しみ」。

他には「認知的不協和の心理」もあります。

最初は「おいしそうなブドウが木にぶらさがっているので取りたい」と思ったのが、「まったく手が届かず、取ることが出来なかったという現実」から逃げて、失敗したことを認めたくないので「あのブドウはすっぱいに決まってる、だからいらない」という方向に認識をすり替えたわけです。


さて、この話には続きがあって、

ブドウが取れなくて帰る途中、キツネはオレンジが落ちているのを見つけました。

しかし、近づいてよく見てみると、それは「オレンジ」ではなく「レモン」でした。

「オレンジだ、ラッキー」と思って拾ってみたら、「レモン」だったことでガッカリしたキツネ・・・。

「・・・さっきのブドウよりもこっちの方が甘いよな」と、拾った「レモン」をかじりながら帰りましたとさ。



こちらは「甘いレモンの論理」と言い、「すっぱいブドウ」とは反対の心理だけど、これも「合理化」の一種で、やはり「負け惜しみ」を感じる状態。


こちらの場合だと「おいしそうなオレンジが落ちていると思ったのに拾ってみたらレモンだった」ということにガッカリしたものの、「まったく手に入らないよりはマシ」なので「本当はすっぱいけれど、取れなかったブドウよりは甘いだろう」と強がりを言ってしまう心理状態。


どちらの場合でも「負け惜しみを言うのが悪い」というわけではないので、次に進むための原動力にするのがいいのではないでしょうか。




できなかった時の考え方「すっぱいブドウ」の心理的効果とは?

”考え方”を考える すっぱい葡萄と甘いレモン 甘い葡萄を狙いに行け!

すっぱいブドウと甘いレモンの法則